見出し画像

DarioHealth社のM&Aから考える海外のオンライン理学療法市場動

2021年は、オンライン理学療法や体の痛みなどの慢性痛・筋骨格筋領域のスタートアップ企業の買収や巨額な資金調達のニュースが相次ぎで起きました。

Dario Healthはまさに、このトレンドの象徴的な動きを見しており、昨年からの買収やリリースが多く発表されました。

2021年1月:Upright Technologiesに買収。

Upright Technologies社は姿勢矯正用のデバイスを開発していました。デバイスはネックレスのように付けることができ、姿勢を検知し振動で姿勢改善を通知し、姿勢矯正の支援を行っていました。

2021年6月:自社より上体につけるウェラブルセンサーのリリース


Upright Technologies買収後、同社の技術を用いて、「Upright GO S」をリリースしました。

2021年10月:オンライン理学療法のプラットフォームを「Dario Move」をリリース

これによりウェラブルセンサーを使用しながら、理学療法士による姿勢改善・運動療法をサービス利用者に提供することが可能になりました。

2021年1月:Physimax社の買収

データを解析・AI開発する技術を取得しました。そして昨日、DarioHealth社は動作・姿勢・怪我リスクのAI評価サービスを提供Physimax社を買収を発表しました。

オンライン理学療法サービス拡充

センサー、セラピスト、AI 
この三者が揃ったDarioHealth社のプラットフォームでは、理学療法士はより利用者の姿勢・動作の情報を得た上で理学療法を提供でき、またAIによる理学療法士なしでの利用者向けのフィードバックが拡充されると考えられます。

DarioHealth社はなぜ筋骨格筋領域に進出したのか

そもそも、なぜ「糖尿病管理」のソフトウェア・デバイスを開発していたこのDarioHealth社が筋骨格筋領域に進出したのか?

これに関してはDarioHealth社CEO であるRaphaelは、「ユーザーである高血圧や糖尿病を抱えている方の多くは、体の痛みなどの慢性痛の問題も抱えていた。また企業の医療費負担においても、こうした身体の障害が大きなウェイトを占めていると分かっていた」とUpright Technologies買収時に述べておりました。

近年の研究でも、因果関係は不明ではるもの、慢性痛と循環器疾患との間に相関があることが分かった来ております。


こうした、高血圧や糖尿病などの循環器領域の慢性疾患から、理学療法士など見ることが多い、腰痛や肩こり、体の慢性痛などの領域に進出しているのは、同社だけでありません。

Omada社でも同様の流れが起きました。Omada社もはじめは糖尿病管理にフォーカスしていましたが、2020年にオンライン理学療法を提供していた「Physera」の買収と同時に遠隔理学療法・筋骨格筋領域に進出を行いました。

多くの患者は、単一の疾患ではなく複数の併存症を抱えております、

ユーザーとしてはやはりひとつプラットフォームやサービス上で治療・疾患管理を行えることを望んでいると考えると、今後このように疾患領域を広げていく流れは今後も加速していくでしょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?