本を読んだ後、次にどの本を選ぶか。
読みかけの本を読み終えた後、次にどんな本を選ぶかって個性が現れる。1人では気づけなかったこのことについて、ちょっと考えてみた。
次に何を読むか。だいたいは本屋や図書館で沢山仕入れた本に忙殺されることが多いけど、ストックがない、かつ読み終えた本に関連する本を読みたいなって思うこともある。
そんな時、私は次の選択肢に基づいて本を選んでる気がする。
①読み終えた本の紹介者が薦めている関連本
②読み終えた本で引用されている参考文献
③読み終えた本で気になったジャンル・単語に関する本
上記それぞれに良さがあって、その時の気分でどれかを選んでるわけだけど、③の偏りの強さにこれまで無自覚だったって気づかされた。
きっかけはウィリアム・モリスの『民衆の芸術』だった。
私は『民衆の芸術』を読んだ後、モリスが何を考えてこれに至ったか、モリス研究史はどうなってるかばかりに興味があって、ゴシック・リヴァイヴァルやモリスに関する論文、同じ内容の別訳等々を漁っていた。
だから同じ本を読んだ人が、他の本として、生活に関する本を紹介してくれた時は目から鱗だった。
モリスの名前は一度も出てないこの本。
だけど、いわゆる「ていねいなくらし」に関する情報操作のことが書かれていて、モリスの清貧かつ中世的な生活と繋がるようなところがあった。
私はおそらく、歴史学や美術史ってなると途端にそういう考え方ができなくなる。
だから暮らしというところに焦点を当てず、「もし論文のようなものを書くとしたらどこを深掘りしたらいいだろう」しか考えていなかった。
こういう自分に標準装備された検索回路に従うのって、それはそれで楽しいけど、視野の狭い最適化だった。回路自体は悪いとは思わない。とはいえその回路に自覚的ではありたい。
また、他の人は自覚・無自覚関係なしに、どんな本を選んでいるのかがすごく気になった。
ここにその人の個性や魅力が詰まっているような気がしてならない。
だから、この話をざっくばらんにいろんな人としてみたい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?