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名作は面白い、という自明みたいな感想。

【読んだ本】太宰治『グッド・バイ』

https://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/258_20179.html

折角の巣ごもりだからということで、最近は青空文庫で「これまで名前だけ知っていた名作」を漁っている。

ほぼ自明みたいな話だけど、教科書に出てくるような作家の作品ってめちゃくちゃ面白い。

これまで多くの人が読み、新装版等で何回も出版されて、教科書にも載って、みたいな本ってそのぶん面白いと思った人が大勢いるわけで。

例えば、今日読んだ太宰治の『グッド・バイ』なんてきっと読んだ人の9割以上は「続きが読みたい!」って思ったに違いない。

様々な手段を使って女たち1人ずつに「グッド・バイ」って言ってくシリーズものになったのだろうか、ほかにどんな女がいてどんな手段を使っていたのだろうか、なんて考えるだけでときめきが止まらない。二次創作マインドとはこれか?みたいな胸の高鳴り。

というか、ヘタレ男と強い女のバディってありふれた(太宰以前にもいっぱいあったのか、グッドバイの影響で増えたのかは知らんけど)テーマなのに、会話の滑らかさや地の文の描写の豊かさでぐいぐい引き込まれるのすごい。

パーツの欠けたギリシアの彫刻みたく、不在の魅力ってのはもちろんあるんだろうけど、それでも読める部分だけでも素晴らしいのだからその先も面白いのだろう。


家にこもり続けるのに賛否両論色々あるけど、『グッド・バイ』に手を出さなかったら死ぬまでスルーし続けてたかもしれないって思うと、家にいる時間増えたのは自分にとって幸いだったかもしれないな。

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