お供え
お盆も終わりましたね。
我が家では母の「初盆」でした。
我が家にもついにお仏壇がやってきて、手を合わせる毎日が始まりました。
仏壇の前にはお供え物をしますよね。
母を一番思い出す瞬間は、スーパーで買い物をしている時です。
晩年の母は足が悪く、よくスーパーへの買い物に付いていきました。
そのくせ母は、スーパーに着いてカートを持つととたんにキビキビ動き出し(笑)
「アンタは自分の好きな物見ておいで」と、別行動になります。
そして、そろそろ帰るか、という時間になると、店内を回って母の姿を探すのです。
今でも、
スーパーに行くと、棚と棚の間に母の姿が見える気がします。
僕が1人で買い物に行った時も、母の好物を見つけると「買っていってやろう♪」と思い、必ず2個買って帰るのです。
なぜ2個なのか?1個だけ買って帰って「はい」って母に渡しても「ワタシはいいからアンタが食べなさい」と、必ず言うのです。
なので2個買って「オレの分はあるから、それは食べなさい」と言って初めて口にするのです。
そんな母が居なくなって8ヶ月。
驚くことに、
今もその習慣が抜けないのです。
スーパーを回っていると、母の好物だったものがやたら目につきます。
「よし、これお供えしよう♪」と思って買うのですが、必ず2個買っているのです。
そして1個をお仏壇にお供えします。
しかし、実際に食べてくれるわけではないので、もちろん減ることはありません。なのでいつかは処分しなければならないのです。
それで時々小腹がすいた時など、お供え物の中から「これもうええよな」と言って、お菓子などをつまんだりしています。
そんなお菓子をポリポリと食べていて「はっ!」と思いました。
「母にあげている」と思っていたこのお供え物は、もしかしたら「母から与えられている」のかも知れない、と。
戦時中生まれの母は、幼い頃食べ物で苦労したらしく、そのせいか、僕ら兄弟が腹をすかせないということにすごく気を遣っていました。
まぁ、母親というのはみなそういうものなのかも知れませんが。
よく、身近な人を亡くした人が「心の中で生きている」と言いますが、
なるほど、こういうことなのか。と、実感している今日この頃です。
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