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坂本龍一さん

何か書かなきゃ、と思ってnoteを開いてはみたものの、

あまりにもその存在が大きすぎて、何から書いたらいいのかわかりません。

なので、パッ、と思いついたことから書きます。
もしかしたら後日また書き足すかも。

昔、NHKの「YOU」という若者向け番組がありまして、糸井重里さんがホストだったのですが、

その番組で「坂本龍一の音楽講座」という企画がありました。
その中で実に興味深い「実験」がありました。

観覧客の中から3名が選ばれ、坂本さんからそれぞれ1通のメモが渡され、別室に移動しました。
3名の内訳は、楽器経験者1名、未経験者2名でした。

その3名が、十数分後には何と音楽を奏でる、というのです。

案内されたその部屋には、グランドピアノが3台。そしてちゃぶ台が1台。
ちゃぶ台の上には、お茶、おせんべい、ラジオ。

まぁ、「音楽講座」だと言われてピアノがあったらまずピアノの所に行きますわな。(笑)

しかし、坂本さんから手渡されたメモに書かれていたことは、

  • 何をやってもいいからね。

  • 自分の「好きな音」を探して、見つかったらそれを繰り返しやってみてね。

  • ただし、他の人の邪魔になることはやめてね。

部屋から帰ってきた3人は、スタジオに置かれたピアノの前に座り、それぞれ好き勝手にフレーズを弾きはじめました。当然バラバラです。

しかし不思議なことに、しばらく続けていくと、なんとも前衛芸術的な、「聴ける」音楽になってきたのです。

ここで坂本さんからタネ明かし。

別にピアノでなくても、お茶を飲んでもいいし、おせんべいを食べてもいいし、机を叩いたっていい。おせんべをかじる「バリッ」という音が気に入るかも知れない。そうやって「心地いい音」を探していくことが音楽なんだ、と。

他人の評価など関係ない。自分自身が好きなことを突き詰めていけばそれが個性になり、表現につながる。

そのことを知った時、何か光が見えたような気がしました。

例えば自分が今やってるラジオなんかもそこに繋がっています。

他人が面白いと思う番組なんてそうそう計算して作れるもんじゃない。
だったら自分の好きなことをとことんやろう。
そうして自分がキャッキャウフフと楽しんでいる様を見てもらおう。
それがコンセプトになっています。

ラジオだけではありません。人生の全ての局面において、坂本さんの考え方に、今も影響を受けています。

これほど偉大な人が晩年、病に苦しまれたことに心が痛みます。
どうか安らかに、お休み下さい。

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