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書きたいのは、子どもたちに贈る物語。

数年前、シナリオ教室に通っていた期間が半年ほどあって、先生に訊かれたことがある。

「どうして、あなたは創作をしたいのか?」

僕は直感人間なので、「やりたいから」というのが偽りない答えなのだが、先生は満足してくれない。

「どうして、やりたいの?」

「やりたいから」

「どうして?」

「だからぁ~!!」

と、堂々巡りで生徒のくせに生意気にもイラっとしてしまいましたが(先生、ごめんなさい)、先生が言うには、それが見えていないと何のために書いているのかわからなくなって、虚しくなったり、苦しくなったりするらしい。

そこで、しばらく考えてみたところ、ぼんやりと浮かび上がってきたのが「子どもたちに贈る物語」というキーワードである。

ここでの「子ども」は「我が子」ではない。僕には娘が2人いて、彼女たちも当然含まれるが、世間一般の子どもたち(高校生くらいまでかなぁ)に贈る物語を書きたいと現時点では思っている(大人にも是非とも読んでもらいたいと切望しているが!大人たちよ、読んでくれよな!)。

ただ、こう言うと、いわゆる「子ども好き」の印象を持たれるかもしれないけど、僕は決してそういうわけではなくて。もちろん、娘たちは大好きよ。めっちゃ愛してるよ。でも、「子ども」という存在そのものが好きなのかと訊かれると、「YES!!」と親指を立てて満開の笑みを浮かべられるような自信はない。

娘が生まれてから随分とマシにはなったが、特に小さい子どもを相手にすると、どう対処して良いのか長い間ずっとわからなかった。例えば、いとこのお姉ちゃんの子どもたち。幼少期はめっちゃヤンチャやったんやけど、親戚の集まりでどんだけ騒がしく走り回っても、僕のところにだけは絶対に寄って来んかったもんな。子どもは鋭い。大人の内面を見抜きよるんやで、きっと。いや、誰が見ても明らかなくらい、深い皺を眉間に刻んでいたのかもしれない。

そんな僕が「子どもたちに贈る――」なんてどうかと思うけど、これからの社会や国を創っていくのは、間違いなく子どもたちや若い人たち。「彼ら・彼女らに何か少しでも気づきを」と言うのは大変おこがましいが、人生を楽しく、強く、賢明に、そして幸せに生きてほしいという僕なりの願いを込めて小説を書くことが今は多い。やさしくて明るい、そんな日本であってほしいからね。

創作を通じて、何かしら子どもたちに貢献できれば。そんな思いが沈着し始めた頃、ある女性がアクションを起こしました。

その方は、本業でもお世話になっているライター・編集者の林カオリさん。なんと、ひとりで出版社を立ち上げられたバイタリティあふれる素敵な女性なのです。

林さんは、ご友人と共著で本を出版された際、その売上を子どもたちの暮らしをサポートする認定NPO法人に寄付されました。寄付先についてリサーチを重ね、熱心に活動されている団体に出会えたそうです。

それが「認定NPO法人 CPAO(しーぱお)」さんでした。

「今まさに脅かされている命がある」。

林さんいわく、CPAOさんが話してくれた現実は衝撃的なものばかり。共著での出版を機に自ら出版社を設立すると、継続して支援したいとの考えから、自社が関わる書籍の売上を寄付することを決意されました。

今年の夏(おそらく7月)に僕は電子書籍(小説)をリリースしますが(前回のnote記事をご覧ください)、そのサポートを林さん(合同会社パブリスプラス)にお願いしています。理由は、その理念に共感できたからに他なりません。

今回の電子書籍出版で得た売上の一部をCPAOさんに寄付することにしました。

僕の小説に世の中を動かすほどの力なんて到底ありません。でも、些細なことでも、できることから始めたい。そう思いました。これもコロナ禍がもたらした副産物なのかも。自分の無力さに打ちひしがれたから。

もっともっと自分自身が強くなって、何かを救える人にならないとあかんなぁと、またまたぼんやりと耽(ふけ)る今日この頃です。

※林さんが共著で出版されたのは、こちら。ご興味ある方は、ぜひぜひご購入ください!

(追記)小説「おばけのリベンジ」Kindleにて発売中です!


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