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先生、お元気ですか?

こんにちは。
ふとカレンダーを見ると、今日の日付は10月10日。
毎年この日になると、私は、小学校1年生の頃担任をしてくださった
先生を思い出します。

今日はその先生の誕生日なのです。

怒るとめちゃくちゃ恐い、背の高い女の先生でした。

その厳しさ故に、小学校教諭として長いキャリアがあるにも関わらず、
低学年の担任になるのは私達1年4組が初めてだった先生。

幼稚園から上がったばかりの私達にとって、先生が教えてくれる言葉の
中には、難しくて当時はあまり意味を理解できないものもありました。

本当の意味を理解できていなかったけど、先生がことあるごとに私達に
言って聞かせるので、幼いながらに耳について離れなかった言葉が2つあります。

その2つの言葉。

1つ目は、

信用を築くのにはとても時間がかかるけど、その信用を失くすのは一瞬。
失った信用を取り戻すのには、最初よりもずっとずっと時間がかかります。

というもの。

これは、確かクラスの誰かが他のクラスメイトの持ち物をふざけて隠した時
に先生が激怒しながら言った言葉だったと思います。

小学校1年生で、しかもその一件の当事者でもなかった私は、
先生が言ったその言葉の真意をあまり理解できないまま家に帰り、
母親にその日あった出来事をそのまま話しました。

私の口から、先生が言った言葉を聞いた母親は、

あんたにはまだ難しくてわからないかもしれないけど、
先生が言っていることは、本当に大事なことだと思うよ。
良いことを教えて貰ってよかったね。

と真面目な表情で私に語りかけてくれた記憶があります。

2つ目は、

自分の命は自分で守る。

という言葉。
これは、もうこの先生の代名詞と言っても過言ではない、
一度この先生に担任をしてもらった人なら誰だって何度も聞いたことがある
言葉だと思います。

私達の担任になるまで、ずっと高学年の担任をしてきた先生にとって、
小学校1年生が保護者なしで登下校をすることが、おそらくとても
心配だったんだと思います。

登下校時の注意事項は、毎日口酸っぱく言われていました。

・知らない人にはついていかないこと
・横断歩道では、信号が青でも右左しっかり見ること
・道路では友達とふざけないこと

色んな注意事項を私達に言った後、最後に先生は必ず

自分の命は、自分で守るんですよ。
あなたたちのお父さんお母さんも、先生も守ってあげられません。
だから、自分で守りなさい。

と口癖のように言っていました。

この2つの言葉、当時はあまり意味がわかっていませんでしたが、
大人になるにつれて、その言葉の本当の意味を理解できた時、
先生がいかに私達のことを大事に思ってくれていたのかを知りました。

今でも、日常のあらゆる場面で、先生が教えてくれたこの2つの言葉の大切さを痛いほど感じる瞬間に出会うたび、私は先生に会いたくなります。


先生、お元気ですか?
お誕生日おめでとうございます。
10月10日は、目の愛護デーなので、小学校では目をテーマにしたポスターを
描く時間があるのではないでしょうか。

相変わらず数字が苦手な私ですが、「先生の誕生日は目の愛護デーです」
と教えてくれたので、あれから20年以上たった今でも先生の誕生日は
毎年覚えています。

あの時先生が教えてくれた言葉は、大人になった今、私の人生の礎となっています。

他人を裏切り、傷つけるようなことはしない。嘘をつかない。
自分の心身の健康に気をつける。そして、周りの命も大切にする。

先生から教えて貰ったことを今でも大事にしているおかげで、
私は故郷から遠く離れた場所でも、沢山の良い友達と出会い、毎日幸せに
過ごしています。

厳しいことで有名だった先生。
でも、本当は誰よりも生徒のことを考えている優しい先生。

今日も、私の故郷の何処かで、やんちゃ坊主に雷を落としながらも、
人生において大切なことを、子どもたちに言って聞かせているのだと思います。

また、どこかで会えたら嬉しいです。
身体に気をつけて、頑張って下さいね。

おしまい。







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