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ノルディーア北海道2021年ホーム最終戦観戦記

昨年に引き続き、今年も厚別公園競技場にノルディーア北海道の試合を観に行った。
今年は1試合しか厚別での試合がなかったので、ホーム最終戦が初観戦となってしまった。

10月3日11時キックオフの試合ということで、10分前入りしたところ、既に客席は多くの人で溢れており、着実なファン層の拡大を感じた。
好天も手伝ったのだろうけれど、メインスタンドの6割ぐらいは埋まっていた。

対戦相手は福岡J・アンクラス。
ノルディーア北海道より順位が上であるものの、昇格の芽は潰されており、お互いに消化試合である。こういったプレッシャーがない試合の方が、好ゲームが期待できるものだ。

試合が始まって、すぐに驚きを見つけた。
パススピードが速い。
プレッシャーが掛かったら、基本的に後ろに戻している。
ビルドアップでボールを運んでいる。

「いや、当然でしょ」と思う人もいるかもしれないが、去年の試合では充分な時間がないとパスがヘロヘロなことが多く、プレッシャーが掛かると完全なフリーな味方にしかバックパスが出来ないので前にとにかく蹴り出し、ビルドアップではハーフラインを超えるシーンが希少だったはずだ。(データは見ていません)

失礼を承知で言えば、前年の試合は小学生の地区予選レベルであったが(センターサークル付近で団子になってボールを蹴り出しあうシーンが散見されていた……)、今年は男子中学生=なでしこ2部の試合になっていた。

監督が凄いのか、選手を入れ替えたのかは知らないが、1年でこんなにチームが変わるのかと驚いた次第である。
今年のノルディーアの戦績を見ると序盤に連敗しているので、恐らくは我慢してチームを作ってきたのだろう。
去年よりも明確にチームとしての方向性が示されていた。

試合は4-4-2同士(多分)のオーソドックスなマッチアップ。
風上を取ったノルディーアが前半から攻める展開。
福岡はSBからのビルドアップでやり直すが、ボランチへのサポートが少なく、ノルディーアが何度も真ん中で引っ掛けてショートカウンターに持ち込んだ。
しかし、福岡が全体的に後ろに重いためか、決定機でクロスバーに当てまくったせいか、ノルディーアの得点につながらなかった。

ノルディーアで違いを見せていたのは、11番のSH。
素晴らしい切り返しのドリブルで何度もサイドを突破していた。
あそこまで持てるならゴール前でもっとエグってもいいが、チームがそういうやり方ではないのだろう。

後半になるとノルディーアは長身の27番を外す。
決定力が高い選手を入れたのかもしれないが、後半も似たような展開で、90分が過ぎ去ってしまった。

全体的に気になったシーンとしては、パスの受け手へのプレッシャーが足りなすぎること。
特に福岡で顕著に見えたが、ノルディーアが縦にワンツーで抜け出す時に何もケアできていない。(ワンツーと言ってもダイレクトではなく、トラップして出しているけれど)
「ワン」にプレッシャーを掛けに行った選手が「ツー」にそのまま突っ込むのはいいけれど、「ワン」をケアする選手がいないので、簡単にワンツーが決まってしまう。
しかも、これがミドルサードで発生するので、一気にディフェンシブサードに侵入されてしまうのだ。
前年のノルディーアも似たような崩しをやっていて、これが今年も通じているということは女子サッカーに根付く問題なのだろう。

WEリーグは全く話題になっておらず、自分のようなサカオタですら存在を忘れてしまう厳しい状況であるが、ノルディーア北海道は少なくともレベルアップに成功している。
来年も今年の路線を継続して、なでしこ1部への昇格を目指して欲しい。
その資格がある伸びを見せてくれた試合だった。
来年も厚別公園競技場に足を運びたい。
スタジアムを訪れた多くの人がそう感じたに違いない。

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