![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/76756082/rectangle_large_type_2_0af35325e7372fedc38f04232e8fce7a.jpg?width=800)
<那須高原田舎(農家)暮らし⑥ : パンとトマトの話>
何にでも初めての時がある。
こたろうファームも10数年前に初めて自分達のトマトを作った。ハウスはまだなかった。
大玉トマトは形が悪かったり、ひび割れたり。
規格外のトマトがたくさん出来てしまった。
初めて採れたキレイなトマトのことも忘れない。
たくさん出来た規格外のトマトのことも忘れられない。
初めての規格外トマトの嫁ぎ先
そんな就農1年目、とりあえず道路っぱたに無人販売所なるものを設置もしてみた。
ま、そんなにいっぱいは売れないですよね💦
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/76768467/picture_pc_8184b60661251efd7f19287a1c8877be.png?width=800)
そんな時、友人がペンションオーナーさんを紹介してくれた。夏はガスパチョをだしてるからたくさんトマトが必要だと、コンテナ何個分も買ってくれた。
そこからそのペンションさんとのお付き合いは始まった。
お母さんのパン
そのペンションはお母さんが1人で始めたペンションで、那須高原では老舗のペンションだった。
娘さんご夫婦も手伝っていた。
お母さんのパンが評判で、何種類も自由に食べられる朝食が名物で。
野菜の配達の時、お母さんに会えるとパンを準備していてくれた。
「忙しいでしょ、おやつに食べてー」
密かにパンをいただくのが、楽しみだった。
いつも私達の身体を心配してくれて、たまに会って話ができるとうれしくて。
「今年はいつからトマト始まる?」って
いつもトマトを楽しみにしてくれて。
数年前、いろんな事情でペンションをやめることになり、お母さんはひとり住まいに。
それから会う機会もほとんどなくなった。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/76767760/picture_pc_05fd22afd37e2ee808198ad238968181.png?width=800)
うれしい訪問
今日の昼過ぎ、電話が鳴って外に出たら!
なんとお母さんがお友達と無人販売所に!
たまたまお友達がうちのインスタをフォローしていて
「こたろうファームに行ってみたいのよー」
「あらー、私の知り合いよ!無人販売所、連れてってあげるー」
となったらしい。
わざわざ、パンを焼いて持ってきてくれた。
「パン好きだったわよねー懐かしいでしょー」
なんて言って。
パンもうれしいけど、元気なお母さんの笑顔がうれしい!
田舎暮らしをして農業をして、何よりうれしいのは、こうやって人がつながっていくことだ。
何年ものつながりは、わたしたちがうまく作れなかった1年目のトマトたちの延長線上にある。
「初めて」を忘れないように
お母さんのパンは、私たちの「初めて」を思い出させてくれる。
嬉しくもあり、悔しくもあった初めてのトマト。
そして、その規格外のトマトが運んでくれたご縁。
とある夏の忙しい時期に配達に行ったら、疲れてキッチンの椅子から立てなくて。
「そこに置いといてーもうね、疲れちゃって」って言ってたお母さん。
それでもパンを持たせてくれた。
今はのんびりやってるわ、って。
今年の夏は、トマトを持っていきますね。
懐かしいね、おいしいね、って言ってもらえるかな。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?