見出し画像

元企業英語講師、農家になる③<農業と英語と観光と。>

「この方法なら日本人の英語苦手意識無くなるかも!」
那須高原で冬だけ英語を教えていた2016年の夏、私は「ITTAN」というゲストハウスをやってる通称「らぶちゃん」と知り合った。
この出会いが、私の「農業・英語・観光」をつなぐ活動のきっかけとなる。

ボランティアステイの外国人旅行者

ケニアで青年協力隊をやってたらぶちゃん、英語とスワヒリ語ができて、外国人も気軽に泊まれるゲストハウスをやっていた。
ゲストハウスにボランティアステイというシステムで長いと3ヶ月近く滞在する外国人旅行者たちは、無料でステイする代わりにゲストハウスの仕事を手伝ったり、キャンプ場や農作業の手伝いもしていた。
場所が近かったこともあり、うちの農作業を手伝いに来てもらうことになった。ボランティアの方々はほとんどが若い男性。農作業の経験が無くても力仕事は苦にならないようで、楽しく作業をしてくれた。
「英会話しながら農作業出来たら楽しいねぇ」
じゃ、そんな企画を考えればいい!

地元の人たちと外国人旅行者の交流

外国人旅行者のみなさんと、地元で英会話を学ぶ子どもたちと一緒にじゃがいも掘りをしたり。
うちで農作業やBBQをする時に、自然の中で日本語、英語、フランス語、ドイツ語が飛び交う。
ITTANゲストハウスに行って夕食をみんなで一緒に食べたり(夕食は有料)、友人たちとお正月には書初めしたり、着物を着てお茶会もどきをしたり。
わたしが着物を着始めたのも、外国人たちと一緒に着物を着るためだった。
英会話するために英語を話すのではなく、出かけた先に英語の空間があるのだ。
「あーこうやって英語が身近にある環境が作れたら、日本人ももっと英語に慣れながら暮らせるのになぁ」
私は、自分にできることはなんだろう、と考え始めた。

あなたも私も英語は第二外国語

まず、冬になったら私が主催している「なす英語倶楽部」に毎週ITTANにいる外国人に趣旨を説明して来てもらった。「英語で会話をすることが目的で、いろんな人と話してもらう」ことに同意してもらって。
ボランティアなので、来たい人だけが英語倶楽部に来る。まあ、ほとんどの人が来たがってくれた。英語があんまり話せない初心者の日本人がいても、彼らは全然気にしない(笑)
英会話の先生じゃないし、ドイツ人、フランス人、マレーシア人、メキシコ人などなど、ほとんどの場合、英語は第二外国語だ。上手じゃない人もいる。
ここが大切だった。
「外国人旅行者みんなが、英語が上手いわけではない」
ネイティブスピーカーじゃない外国人と英語で話す。半分はジェスチャーの場合もある。絵を描いたり、クイズみたいになることもある。
それでいいのだ。
「伝えたい」
そこがコミュニケーションのスタートだ。
フランス人の料理人が来た時は、友達のフランス料理店で日仏シェフ料理対決とか、フランス語レッスンをしてもらったこともあった。
楽しみながら、英語やフランス語、日本語もチャンポンで会話がはずむ。
「楽しい」と感じれば苦手意識も無くなってくる、はず。

「英語は度胸」

2016年から2020年まで、外国人旅行者の方々との交流は続いた。
コロナで旅行ができなくなり、2021年からはまた別の方法を模索中である。
みんな最初はドキドキする。でも3ヶ月近く那須に滞在する人たちとは友達みたいになって、慣れていく。そう、外国人慣れするわけです。
英語倶楽部のメンバーは徐々に変わっていった。 どこの国の人が来ても「よく那須に来てくれた!」と迎える気持ちになる。
相手のことが知りたい、伝えたい、という想いが「間違ったらどうしよう」という気持ちに優ってくる。

「英語は度胸」

何度も言ったフレーズ。
若い時の方が暗記力とかはあるかもしれないけど、いくつになっても度胸はある。むしろ、歳を重ねて出る度胸もあるはず。
なす英語倶楽部メンバーの最高齢は70代。
いくつになっても英語を始めるのに遅いことはない。

さて、これからどうする?

いい英会話上達法を見つけたと思ったら、コロナ禍で、頼みの綱の外国人旅行者がいなくなってしまった。
まだ農業と英語と観光をつなげている最中だった。
地元に住んでいる友人のイギリス人やアメリカ人に頼めないこともない。でも今だとマスク着用、大きな声禁止、一緒の食事も控えて、ではなかなかうまくいかない。
英語倶楽部では、去年はライティングのトレーニング、今年はYouTubeで英語動画を発信するトレーニングをしている。

農業と英語と観光と。
アフターコロナに私が出来ること、こたろうファームができること、少しずつ考えていきたい。
せっかく元英語講師が観光地で農業やってんだからね。

#農業 #英語 #観光

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?