うちに振り込め詐欺の電話がかかってきた!
こんにちは!
いつまでも母親に飯つくってもらってて料理全然できません、都内実家暮らしゲイのゴンです。(外食サイコー)
さて、先日コロナでてんやわんやしたゴン家です。
今度は母あてに振り込め詐欺(と思われる)電話がかかってきたので、
「これは記事になるわぁ」
と思い書き留めてみます。
というわけでうちの家族の紹介
父 70代後半 年金暮らしで悠々自適の自由人。人をイラつかせる発言が多いくせにこちらが指摘するとスネるので、先日「伝え方が9割」という本をプレゼントしてみました。読んでくれるカナー?
母 70代前半 抜けている父といることで一人の人生を救ったことが本人の人生の誇り。何もしない父にかわり子ども4人を育て上げた苦労人。(だがうち一人は社会不適合者=ゴン)
ゲイの息子(ゴン) 30代後半 4人兄弟の末っ子。兄姉は結婚して両親には孫もいるし、自分はなんも言われなくなってきたから実家でぬくぬく甘えさせてもらってるただのゲイ。
そんな細々暮らす3人家族。その他の登場人物。
犯人A 最初に電話をかけてくるミヤシタと名乗る人物
犯人B 二回目に電話をかけてくる銀行の人間を名乗る人物
役所の女の人
今回は高校大学と演劇をやっていた経験を生かして、詐欺電話がかかってきた時のことを脚本風な記事にしてみたいと思います!
我が家が振り込め詐欺の標的に!?
9月某日 リビング
とある平日の昼下がり、70代の老夫婦(父、母)と、その息子であろう中年の男(ゴン)の三人がリビングで遅めの昼食のカレーを食べている。
プルルルル(電話の音)
母が電話に出る
母「はい。……ええ、そうです。……はい、はい。ちょっと待って」
母、メモを取ろうと電話そばにある紙とペンを用意するがペンのインクが出ない
ゴン、椅子から立ち上がりキッチンにあるボールペンを手に取り母に渡す
ゴン「ん」
ゴンはペンを渡すと母の電話に耳を傾けながら食事に戻る。その間、父は特に何も気にせずカレーを食べ続けている
母「はい、どうぞ。……ええ……はい。……〇〇銀行です」
ゴン、銀行名を出した母に驚き、振り向く
母「最近いろいろあるじゃない。だからこちらから聞きたいことがあったとき、あなたに繋がるように名前を教えて頂戴」
ゴンは母のとっているメモをのぞき込む。ゴンの顔が険しくなる
母「はい、わかりました。はい……はい……それじゃあ」
母、受話器を置く
ゴン「どこから?パート先の人からじゃないの?」
母「なんかね、私郵便とかちゃんと確認しないからきっとちゃんと見ずに捨てちゃったのよ」
ゴン「……ん?」
母「だからちゃんと確認しなかったのよ、いやだわ」
ゴン「だから誰からの電話だったの?」
母「とにかく準備しなきゃ」
ゴン「待って、何を準備するの?何の電話だったの?」
母「いやね、なんか健康保険のお金が戻ってくるとか言うのよ。それで30分後に〇〇銀行の人から電話かかってくるから、保険証と口座番号がわかるものを用意しなくちゃいけないのよ」
ゴン「うーんと、ちょっと待って。お金が戻ってくるってどこからの電話だったの?連絡先聞いたの?」
母「名前聞いたのよ?ほら、いろいろ振り込め詐欺だとか怖いじゃない?ミヤシタ(※名前変えました)って言ってたわ」
ゴン「うん、それでどこのミヤシタさん?電話番号聞いてないから連絡取りようがないでしょ?」
母「〇〇さん(母のフルネーム)いますか?って、私の銀行の名前も知ってたし、感じのいい男の人だったわよ?」
ゴン「うん、銀行名はさっきお母さん電話でその人に言ってたよ?もしかしたら振り込め詐欺かもしれないからいったん確認したほうがいいね」
そこでカレーを食べ続けていた父が口を開く
父「そんなの典型的な詐欺じゃないか。そんなのに引っかかるなんてまったくお母さんは…」
デリカシーのない父。言い方ってもんがあるのよチッチ。
父の言葉にみるみる不機嫌な顔になる母
ゴン「うん、お父さん待って。まだ振り込め詐欺と決まったわけじゃないよ?それにお母さんは詐欺を疑って相手の名前聞き出してくれたじゃんか」
ゴン(心の声)「自分もほぼ100%還付金詐欺だと思う。でも万が一のこともあるし、詐欺だと決めつけてお母さんを責めるのもおかしい。確認してみるか」
ゴン「ねえ、お母さん、改めてどこからの電話だったの?役所?それとも別のどこか?」
母「よくわからないけど、健康保険課の人って言ってたわよ。いやよ、もうなんか詐欺グループに名前知られてるのかしら?だから怖いのよ、外で名前書くのが(ブツブツ)」
ゴン「健康保険課ね。(スマホを操作しながら)……役所ね。役所に問い合わせしてみたら一発でわかるから電話してみようね」
母、不安そうな顔で自分の椅子に戻る。食べかけのカレーに手はつけない。
ゴン、スマホで役所の電話番号を確認しながら先ほど母が出ていた固定電話で電話番号を入れていく
父「もうそんなのすぐわかるじゃない、これだから…」
ゴン「(電話番号押しながら)うん、お父さん待ってね?まだ詐欺と決まったわけじゃないからね?それを確認するために俺が電話してみるからね?」
電話の声「はい、○○(自治体の名前)、健康保険課でございます」
ゴン「あの、そちらの健康保険課を名乗る方から、母に健康保険料の還付金があるような電話がありまして、息子なんですけど、母にそういった権利があるのか調べていただくことって可能でしょうか?」
役所の女性「息子さんは一緒に住んでる方ですか?同一住所のご家族であればお伝えすることができますけど…」
ゴン「はい、一緒に住んでます」
役所の女性「では、お調べしてみますので、住所から教えていただけますか?」
ゴン「はい、住所は○○……」
役所の女性「お調べしてみますね、お母様の名前は…」
ゴン「〇〇です」
役所の女性「お電話口の息子様のお名前は」
ゴン「あ、私は〇〇といいます」
役所の女性「少々お待ちください」
父「これではっきりするな」
ゴン「食べ終わったんだった皿下げといて、あとで洗うから」
父はそのまま何もせず座っている。ようやくカレーに手をつけはじめた母
母「どこにかけてるの?」
ゴン「〇〇役所の健康保険課。一緒に住んでる家族なら教えてくれるって」
役所の女性「お待たせしました。〇〇さんにそういった還付金は……現在はないですね」
ゴン「そうですか。ありがとうございました。ちなみにそちらにミヤシタさんという方はいらっしゃいますか?」
役所の女性「ミヤシタ…ですか?そういった名前の者はいないですね……こちらの部署には」
ゴン「そうですか。ありがとうございました」
役所の女性「電話があったのはどのくらい前ですか?」
ゴン「えーっと、10分前…くらいです」
役所の女性「そうですか、こちらとしても上司に報告いたしますが、警察にご連絡されたほうがよいかと思います」
ゴン「そうですね。そうしようかと思ってました。」
役所の女性「上にあげておきますね。お電話ありがとうございました」
ゴン「お調べいただき、ありがとうございました」
電話を切る
父「どうだった?」
ゴン「還付金はないって」
父「ほら、やっぱり」
母、安堵した表情
母「あーいやだわ、もう連絡先がバレてるんだわ」
プルルルル(電話の音)
3人に緊張が走る
犯人グループからまた電話かかってきた!
ゴンが電話に出る
ゴン「はい、もしもし」
男の声「あ、○○銀行の者ですが、〇〇さん(母)は…」
ゴン「あ、今離れたところにおりまして、話は聞いているので私がかわりにうかがいますが、保険料の還付金の話ですよね?」
男の声「あ、はい、そうです。○○さんに電話すると伝えておりましてですね」
ゴン「念のため、最初に電話があった健康保険課の担当者の名前教えていただいていいですか?万が一のことがあるので…」
ガチャ。電話を切る音。
ゴン「切られた…」
母「誰から?」
ゴン「○○銀行を名乗る人。急にガチャって切られた」
母「やだ、もうこれで確定ね。本当にそうなのね。もう、やだー」
未遂でも警察電話したほうがいい
そんなわけでゴン家への振り込め詐欺(還付金詐欺?)は未遂に終わったのでした。
連絡は地元の警察署へ
そのあと自分は110番に電話してしまったのですが、警察官の出動の必要はないので管轄警察署へ電話したほうがよかったっぽい。緊急じゃない電話なのに優しく対応してくれた110番のお姉さん、ありがとうございました。そしてすみませんでした。
しばらくして管轄の警察署の振り込め詐欺防止班みたいな部署の方から電話があり、ヒアリング。その日に同じような報告が管轄地域内であったらしいとのこと。ミヤシタさんって名乗ってたって伝えたら
「あー、詐欺グループのミヤシタさんね」
って言われた。よく使われてる偽名なのか。
いろいろとヒアリングを受けたのち、うちが連絡したからかはわかりませんが、ヒアリング直後に防災無線から振り込め詐欺注意喚起の放送が聞こえてきました。
そしてうちの自治体は振り込め詐欺防止のために高齢者宅に録音機械を無料で貸し出してくれているそうで、翌日に警察官の方が自宅に来てくれて電話に取り付けてくれました。
ちなみに母は父に責められてプライドを傷つけられたのか、警察の方がいらっしゃる時間にあえて外出していきました。
そんなわけで振り込め詐欺電話がかかってきたら未遂で終わったとしても管轄の警察署に報告するほうが吉と思います。自治体によってはサポートが受けられるし、同じ詐欺グループが電話かけまくってるだろうから同じ地域の人に注意喚起する意味でも大事ですね。
詐欺電話に引っかからないために親と決めておくこと
録音機械を設置しにきた警察の方が言ってましたが、固定電話にかかってきたときのスタンスとして「電話に出ない」のが一番確実に詐欺にかかる可能性を減らせると思います。
留守電を設定する
詐欺グループは証拠を残すことを嫌うので、留守電のメッセージが流れたらほぼ確実に電話を切ります。
本当に用がある人は留守電を入れようとするので、留守電にメッセージを残し始めたら電話に出ていいと両親と約束しておくといいでしょう。
今回うちの母がそうでしたが、高齢者は「詐欺かも?」と思いながら電話に出ても、言葉巧みな詐欺グループのテクニックで騙されそうになりますよ。
おかしいと思ったらいったん電話を切り本人に連絡をする
息子を騙る人物や、その関係者を名乗る人物から電話があった場合、必ずいったん電話を切り、本人に連絡をとるように取り決めをしておくといいと思います。
「こうしたら、こうしておく」
と決めておかないと、犯人グループに操られるように行動を誘導されてしまいます。
出来れば同居、そうでなくても近くに住んでたほうが
今回は自分が一緒に住んでいたので役所に電話したときもスムーズでした。
仮に母が一人暮らしだったとしたらと思うとめちゃくちゃ心配です。父と二人だったとしても心配で、父が母を責め立てて母が傷つきそうでした。
一番大事!親を責めない
親は親である前に一人の人間
昨今、オレオレ詐欺だの振り込め詐欺だの言われて久しいので、高齢である親も、そういった詐欺の存在は認識しています。
だからこそ、引っかかってしまった(引っかかってしまいそうになった)時には誰に何も言われなくても本人は反省します。
そこに追い打ちをかけるように身内から
「なんで気づけなかったの?」
「何やってんだよ、これだから……」
とか言われたらどうですか?
ただでさえ傷を負っているのにさらに傷ついてしまいますよね?
詐欺グループは詐欺のプロ。どんなに気を付けていても引っかかるときは引っかかるものです。
あなたにできることは親を責めることではなく、傷ついた心を慰めて癒してあげることです。
あなたは自分の親に会っていますか?ちゃんとコミュニケーションとっていますか?
あなたが思っている以上に、親は老けていますよ?(親に甘えまくってるお前が言うな)
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