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洗面器にビリヤニ

タクシー運転手に別れを告げて、やっと1日目のホテルに到着した。
日本円にしたら3000円くらいの、普通のビジネスホテルといったところ。
エアコン完備だし、ベッドバグもいないし、シャワーも温かい。

シャワーにバケツと手桶?

これから先いつも出会うことになる、シャワールームに謎のバケツと手桶。
これなんなんだろう?
足湯をするのか?お尻を洗う?
想像を巡らせたけど、途中でどうでも良くなって考えるのを止めた。

インド初ご飯!さあ何食べよ?

ホテルのフロントでおすすめレストランを聞いてみた。
「ベジか?ノンベジか?」と聞かれる。
どっちでもいいんだけど、、と伝えたら、
「だったら近所のビリヤニが最高に美味いから食ってこい」と言われた。

出て右に曲がり、まっすぐ行ったら左、みたいな雑な説明に心配になりながら向かったレストラン。フロントマンの言う通りだった。すぐに見つけた赤い看板。

中はお昼時だからか、いつもこうなのかわからないけど人でごった返していた。店先はテイクアウトの人たち。奥はイートインスペース。

座席に案内されるのかと思い待っていたが、誰もきてくれず、見かねた若い店員が、すぐそばの席を指差した。相席だった。

ビリヤニの後悔

若く恰幅の良いインド人男子と目が合った。彼はもちろんビリヤニを食べている。目の前にあるのはちょっと小さめの洗面器のような器に入ったビリヤニ。

店員がやってきたので、ベーシックなビリヤニを頼もうと思ったが、その前にサイズを確認しなくては。

「これ、一人分?」目の前の洗面器に入ったビリヤニを指差した。
「そうだ」
到底一人で食べ切れる量ではない。残ったら持ち帰りももちろんできるが、どうせ食べないだろうと思った私は、ビリヤニを諦めタンドリーチキンをオーダーした。

その日以降、いつかビリヤニを食べてやろうと思うが、一人で食べきれない量が出てくるのを想像すると、いつも諦めるので合った。

パートナーと合流し、旅も残り三日となった頃に食べたビリヤニは、正直残念で、この度の数少ない後悔となったもの、それがビリヤニだ。


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