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私にサボり癖がつくまで


二十数年生きてきて、サボり癖が初めてついた。
自慢じゃないけど、今まで提出物の期限とか、調べてきますって言ったこととか、破った経験が一度もなかった。
そんな私がとうに学生を辞めて1年経とうとしている中で、今更サボり癖がつき始めたことに驚きと焦りを隠せない。
いや、そろそろ焦りもなくなってきたかも。もうそこまできたのかもしれない。

仕事が嫌で、本当に嫌で嫌で仕方なくて鬱になった時、逃げてもいいよって言ってくれた友人が何人もいた。
当時は「逃げたら自分の価値がなくなるかもしれない」と怯えて死にものぐるいで食らいついていたけど、とある一線を超えたところでプツンと何かが切れたような気がしなくもない。
特に熱が出たわけでもお腹が痛いわけでもなく、ただ心がしんどいという理由だけで欠勤をしたことが私の小さな世界では大革命として教科書に載っている。

それからというもの、「逃げる」「休む」ということが何よりも心の薬になることに気がついてしまって、どうにも抜け出せない。こりゃタチの悪いドラッグだ。
上司に勉強しとけと言われても、久々に連絡をとった旧友からご飯いこうと言われても、その場で返事してそれっきりだ。

こんな自分が大嫌いだと思った。今まで真面目に慎重に生きてきたのに、何でそれが出来なくなるのか必死に考えて戻そうとした。
一方で、毎日やってもいないことをやったかのように説教されたり、一生懸命やったつもりなのに何もしてないかのように扱われたりしていたら、少しでも楽した方が圧倒的に得じゃないかと歪んでいく考えを止められなかったし、止めようともしなかった。戻そうとする力よりも歪んでいく方が急激だったから。

案外他人って自分に興味が無いということを知った。良い意味でも悪い意味でも、私が頑張ろうがサボろうが皆全然見てないことに気がついた。
私がいなくても会社はこれからも動いていく。極端な話、私が何もしなくたって明日は来るし地球は回るんだって思ったら俗に言うサボり癖がついてしまった。逃げが怖いって気持ちは完全に消えてないけど、潰れそうになりながら踏ん張る日々よりマシだ。
「めんどくさい」って気持ちをもう少しだけ大事にしよう。

とりあえず4月からは60パーセントくらいの力で緩く生きることを目標にする。

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