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Day4. Ideation & Concept Development /CIID Winter School, Service Design

CIID Winter School Tokyo 2020 に参加してきました。この記事では、私の受講したService Designワークショップの4日めのレポートを書きます。自分の理解をダンプする目的で書くので、粗々な文章になります。図説などはあとで差し替えるかもしれません。なお、CIID Winter Schoolに参加した目的や背景はこちらの記事をご覧ください。

Ideation: デザインスプリントとそっくり!

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取り組む課題・インサイトの目処がついたところで、day4はソリューションとして何をデザインするかを考える、2度めの「発散」フェーズに入ります。ここのワークフローは、クックパッドでもちょくちょく活用されるデザインスプリントの手法にかなり似ていました。スプリントをやりつけている人には、この回はあまり発見がないかもしれません。

ちなみに、忘れちゃいけないクラスの課題テーマはこちらです👇

Theme
Design a Service That Improves the Health and Well-Being of the Elderly People in Tokyo.

Opportunities: インサイトをアクショナブルに変換

ソリューションアイデアを考え始める前に、Opportunutiesという準備工程を踏みます。具体的には、day3で作ったインサイトを、それに対してアクションを取りやすい表現にするために、以下のフォーマットで書き直します。

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スプリントでおなじみのHow-Might-We Questionですね!少し違うのは、ターゲットと制約の定義がフォーマットに組み込まれている点。ターゲットは先に作ったuser typologyの中から設定すると、前工程から思考がつながってアイデアが深まるようです。constraint(=制約)は「設定するとソリューションが考えやすくなる」とのことだけど、「withでもwithoutでも良い、内容はターゲットがナチュラルに起こさない行動やシーンを排除するのも良いし、倫理的観点からやらないと宣言するものでも良い」と、やや曖昧な定義だったので、しっくり来るものを見つけるのが難しかった...。

また、このOpportunity自体、ひとつのインサイトから複数生まれることもあるし、複数のインサイトを組み合わせてひとつのOpportunityを作れることもあるとのこと。この辺りは実践を繰り返して感覚を掴むしかなさそう。

bad opportunity is...
- too broad: 「コペハーゲンを訪れる人は...」など、ターゲットの顔が見えない広すぎる定義
- too narrow: 「この駅の発券機で切符を買う人は...」など、ソリューションがひとつしか考えられない、具体的すぎるもの
just right opportunity is...
- typologyが絞られていて、目的に対していくつかソリューションが思い浮かぶもの

これらをヒントに、グループで考えたopportunitiesはこちら👇

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褒められたのも、ダメ出しされたのもあるけど、個人的には結構面白いの出揃ったなぁと思います。

また、もう一点面白かったのが、この時点で他のグループと共有しあったOpportunitiesがどれも似通っていたこと。最初に調査を開始する時に選んだサブトピックはバラバラだった(day2を参照)のに、発散・収束を経ると、エッセンスが抽出されてしまうのでしょうか。それとも、どの角度から見ても浮かび上がってきてしまうのが”本質課題”というやつなのでしょうか。不思議体験でした。

Brainstorming: ふたたび発散!Crazy8s登場🎉

インサイトの書き換えが終わったら、ソリューションアイデアの発想に入ります。いわゆるブレインストーミングのフェーズだよ!ということで、具体的な手法の前に、ブレストの心構えを唱えます。

Rules for Brainstorming
1. Encourage wild idea 勇敢なアイデアを歓迎!
2. Stay focused on the topic 議題から外れないように注意!
3. Be visual 積極的に絵を描こう!
4. Go for quantity 量を出すぞ!

アイデア発散の手法として紹介されたのが、これまたスプリントでおなじみのCrazy8sです。先ほど書きあげたHow-Might-We Questionを1つに絞り、それに応える解決策を8分間で8個、つまり1分間に1アイデアずつソリューションをひねり出します。1グループ4人で8案ずつ出すので、10分足らずで計32案が出ます。これを、How-Might-We Questionを変えて2回繰り返しました。出したアイデアは、Questionごとにまとめてダーッと共有しながらボードに貼り出します。人の説明を聞きながら思いついたことは、ふせんや紙に書いて追加していきます。

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Clustering & Voting: 何をプロトタイプするか決める

アイデアが出揃ったら、Clustering & Themesの手法で全体をなめて似たアイデア同士を集め、クラスタができたら感情的なテーマをつけます。ざっと整理されたら、次は1人4票シールを持って、プロトタイプしたいアイデアに投票します。

投票は、クラスタにつけたテーマにしても良いし、個別のアイデアに入れてもOKです。また、複数の票を1つのアイデアに入れても構いません。「やってみたい、フォーカスしたい、検証に進めたい」と感じるものに票を入れます。

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Concept Development: これまでのアイデアを組み合わせてコンセプトにする

ソリューションの方向性の合意形成ができたら、ここまで発散してきたアイデアを組み合わせて、1つのコンセプトにしていきます。2度めの「収束」フェーズの始まりです。ここではサービスコンセプトのアウトラインをA3の紙1枚に書いていくのですが、このフォーマットもデザインスプリントの「ソリューションスケッチ」にそっくりでした。

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構成要素は、タイトル(ビッグアイデア)と1文のDescription、カスタマージャーニーの超大事なタッチポイントを3コマで表したストーリーボードです。書き起こしながら「こんな行動実際に起こしてくれるのか?」みたいなセルフつっこみが浮かんだら、ストーリーボードの下に書き留めておきます。

今回は高齢者がターゲットだったこともあり、サービスを提供する媒体選びには気を配るよう口酸っぱく言われました。

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それを無視してスマホで提供するサービスのコンセプトを書いたら怒られたので、紙媒体にして考え直しました。

この時ふたたび他のグループとサービスコンセプトを共有しあったのですが、Opportunitiesを共有しあった時はどのグループも考えていることが似通っていたのに、ソリューションはかなり方向性に違いが出ていたので驚きました。人の行動変化を起こすためにインセンティブ設計やサービス認知獲得の設計に凝っているグループがいたり、インタビューで得た発見をいくつかソリューションに組み込んでいるグループがいたり、デジタル&リアルでの多重接点を重視しているグループがいたり...ソリューションを作る時の思考アプローチは、発想する人の経験やバックグラウンドに強く影響を受けるんだと実感した瞬間でした✍️

さて、次はこのサービスコンセプトから、超スピーディにプロトタイプを作ります。その部分はday5の記事に書きます。

Quick Review for Day4

印象深かったこと
・みんな別々のサブトピックでインタビュー調査をしたのに、発散・収束を経てインサイトの形にしたら、見つめている課題感がすごく似通っていたこと
・似通ったインサイトを元にソリューションを発想したのに、考える人によって全然違うアイデアになっていたこと。こういうの見ると、共創プロセスって面白いなー!ってなる。
疑問に思ったこと
・InsightとOpportunityは書き上げるのが難しいままだった。どうすれば自信を持って書きあげられるようになるんだろう?実践あるのみ?

note初心者です。発信力を研鑽したくて書いています。