「書くこと」は「箱を作ること」に似ている
今年がどんな年だった、なんていう野暮なことは今更しない。
これまで、毎日思うことを思うまま書いてきた。振り返るものは、全部その中に置いてきた。
本当は、今年起こったことを、まだ消化できていないだけかもしれない。
何かを書くことの役割について考えていた。
書く場所があること、自分の頭の中を文字にして整理すること。
もう一つ、「自分を置き去りにすること」という役割があるように思えてきた。
自分の感じたこと、見えた風景、頭の中に浮かんだものを文章にする。文章という体裁さえ保てなくても、文字という形にして表現する。
そうすることで、自分を保存してやる。
その時の自分に区切りをつけてやる。
開きたくなければ、開かなければいい。その時の自分を、この文字の中に置き去りにして、先に進んでいけばいい。
自分を見失うようなことがあっても、ここに綴った言葉を見返せば、その時自分が何を見て何を思ったか、思い出せる。
そうやって、自分へのプレゼントボックスを、毎日作ってやっているような気分だ。
いつか思い出すための箱を作ってやる。
今は置いて行ったっていい。いずれは向き合わないといけない、でもその時まで無理に開く必要はないんだと。
本当に向き合うべきことを、今は語れていないけど。
そんな心残りも全部、2020年はここに置いていく。
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