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中古のクリスマスプレゼント

何歳の頃だったかは記憶が曖昧だが、サンタさんがクリスマスプレゼントをくれた。

中身は当時ずっと欲しかったプレステ(初代)だった。

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幼い頃は本当にゲームが好きで、というよりも兄がしているゲームを一緒に観るのが好きだった。

プレステをプレゼントされる前まではスーファミを遊び倒しており、学校から帰ってくると夢中でゲーム画面にかじりついていた。

うちの家庭ではクリスマスの風習が余りなかったので、欲しいものを貰ったという事実だけで爆発するほど嬉しかったことを覚えている。

そんな大はしゃぎの中、兄が何か叫んでいた。

「このプレステ中古やん!」

中古?中古ってなんだ?確かに赤い文字で中古と書かれたシールがデカデカと貼ってある。

このときは中古という言葉がわからなかったのだが、要はお古であるということを兄から聞いた。

いやいや、結局ゲームできればよくない?となぜそこに文句をつけるのか理解できなかった。

ヴェルタースオリジナルを貰える孫くらい自分が特別な存在なんだと、ただただ、サンタ(父親)に感謝したのだった。

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しかし、中古の弊害は数年越しにやってくる。

ある日突然、ソフトを読み込まなくなったのだ。

3色ケーブルの接触が悪くて画面が暗転する位のことはよくあったのだが、そもそも立ち上がりの画面すら出てこない。

当時既にネットはあったし、原因を調べる発想があれば良かったのだが、そういう習慣もなく(その頃を思えば今は誰でも端末を一台は持っていてすぐに検索して回答が得られる環境はすごいと思う)往生した。

中古品だからもちろん保証はない。

一週間ほどゲームをプレイできず、兄も私も非常に気が滅入っていたのだが、ある日兄が友人から気になる情報を聞いてきた。

ソフトを読み込まない時は起動後に逆さまに置けば、解決するという眉唾な情報だった。

散々いろんな方法を試したが、さすがにそんな「裏技」で電源が点くとは思えなかった。

それでもものは試しというもので、実際に起動して本体を逆さまにすると、何故かゲームを読み込みはじめ、テレビにpsマークが浮かび上がったのだ。 

その時はとにかく兄と二人で喜びまくった。
また、ゲームができるのだと。

ゲームに夢中になりすぎる様子を憂慮していた母はきっと心の中で舌打ちしていたと思うけども。

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FF7 8 9、聖剣伝説レジェンドオブマナ、遊戯王デュエルモンスターズ、激走トマランナー、チョコボの不思議なダンジョン、バイオハザード、ドラゴンクエスト7、モンスターファーム2

その後もたくさんののタイトルでお世話になった後、本格的に故障してしまい、長く第一線で活躍したps初代は現役を退き、頑張って貯めたお年玉で購入したPS2に後続を譲ることとなる。

おそらくは少し貧乏性なサンタさんがくれた中古のプレゼントだからこそおこりえた問題だと思うが、故障して一転、起動した瞬間の感動は今も鮮明に覚えている。

#プレステの思い出

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