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【研修記録】UXデザイン研修 Day6 ペルソナ/シナリオ法

おはようございます。

Xデザイン学校のUXデザイン研修ベーシックコースの研修受講記録です。

第6回の研修を受講しましたので、振り返ります。

1.認知のフェーズ

本研修では自分がスタートアップ企業メンバーであると仮定して、新規事業を検討するという演習テーマになっている。

大企業から出資を受けてスケールアップさせるか、バイアウトしてもらうことがゴールである。

これまでのUXデザインプロセスでは、ユーザーはどんなUXを望んでいるか、それを満たす上で事業が成り立つ(収益化の仕組みができていて、スケールアップ揉み込める)ビジネスを検討してきた。

だが、ビジネスの形を検討するのと同じくらい、どうやってユーザーにサービスを認知してもらうのかを考えることは重要なのではないか。

もしくは、検討するビジネスの中にどうやって認知してもらうのかをかなり重要な観点として入れなければならないのではないか。

という仮説が私の中で膨らんできたのでそれについて書きながら整理していこうと思う。

人間中心設計プロセスでも、デザイン思考プロセスでも、フォーカスするシーンにおいて、ユーザーのAsIsとペインや願望をまず分析する。出てくるものはペルソナやカスタマージャーにマップあたり。次に、新規サービスを考えてユーザーのToBeを描く。構造化シナリオでToBeを描いて、ストーリーデザインボードやコンセプトシートなどが出来上がる。最後にプロトタイピングとユーザー評価を繰り返してサービスの形を完成させる。

ざっくりとした流れは上記の通りという認識だが、ToBeを描いたり、ユーザー評価をするのはどれも新規サービスを使ってもらえるという前提があるように思える。

UXはサービスを使う前から、使っている最中、使った後までの一連の時系列においてのユーザーの経験や抱く感情のこと。と今まで聞いてきたが、これもサービスを使う前提である。

以前安藤先生の講座を受けた時に個人的に衝撃を受けたUXの期間モデルでも、利用前・利用中・利用後・累積の4つで語られていた。

というわけで、少なくとも私が今まで習ったプロセスでは認知にフォーカスされていなかった。

私の見解としては、既存のサービスを改善するために人間中心設計やデザイン思考は用いられてきて、ユーザーはすでに自社のサービスを使っていて、基本的にはバージョンアップした同じサービスを使い続ける前提があった。

すでに自社サービスを使っているユーザーはたくさんいて、自社の名前は比較的知れ渡っている。宣伝用の資金もある程度確保できる。なので新規サービスも自社の名前を出してテレビCMやWeb広告を出せば比較的簡単に認知してもらえることが見込める。

このプロセスはあくまで企画であって、どうやって認知してもらうかはマーケティングの仕事であると区別されていた。

この3つくらいが思い付いた。

今回の演習で私たちはスタートアップ事業である。世の中の誰も知らない企業である。上記の前提は何も持っていない。

どれだけ素晴らしいサービスを考えても知ってもらわなければ、体験してもらえない。どれだけ面白いYouTubeを公開しても、チャンネル登録者が0人だったらほとんど広まらない。どれだけ美味しい料理屋を開いても、人が通らないところに出店したら誰も入ってこない。

”スタートアップ企業が”UXデザインプロセスに沿って新規事業を創出するならば、認知のフェーズを含めた1回目にそのサービスを利用するUXも含めて検討するべきだ。と思った。

昨日の研修ではバリューシナリオを描いた。シナリオの一番初めに認知のフェーズを描くようにしたが、まだまだ詰め切れていないただの思いつきに近いシナリオになっている。

ユーザーの利用シーン(使い始めてからハマっていくまで)にフォーカスしたインタビューとは別に、認知のフェーズだけにフォーカスしてユーザーインタビューをするくらいしても良いのではとも思ったりした。

これからプロセスを進めていく中で、この認知のフェーズも強く意識しながらサービスをより良い方向に改善していきたいと思う。

情報系の勉強をしている中で、AIDMAとかAISASとかいうマーケティングにおける購買行動モデルがあることを知った。1文字目のAはAttention(認知)であった。

2.本質のみにフォーカスすること

今回の研修では、研修前までに作成したペルソナを元にバリューシナリオを作った。

私たちのチームではお茶を淹れる体験をして余裕のある時間を過ごしてもらうサービスを考えており、ユーザーインタビューの結果を上位下位分析すると以下のユーザーの本質的欲求が出てきた。

・適度にこだわりを開放することで、ストレスなくこだわりを続けて幸せに過ごしたい
・余裕のある時間を過ごしたい
・変化に気づくように繊細に生きたい
・自分に合った美味しさを理解・実践することで幸せを感じたい
・好きなことをアピールして幸せを感じたい

私たちはこれらを全て満たせるようにバリューシナリオを描いた。なので、先生から指摘を受けたように足し算が繰り返された山盛りのサービスになった。

自分たちの中ではユーザーが成長していく、このサービスにのめり込んでいくプロセスがシナリオにできているように見えて、満足していたが、違った。

最初は本質的欲求だけを満たした最小限のサービスにして、そのサービスがはまったら、スケールアップしていく。

一度に全部満たした山盛りサービスを提供して、ハマらなかったらその分損失は大きくなる。

ユーザーに寄り添いすぎてはダメ。ビジネスの観点がまだまだ足りていなかったと反省した。

私は自社でのソフトウェア開発経験でも同じような教訓があったことを思い出した。

2年目から3年目にかけて、新規製品の新機能開発をした時の経験である。この時はざっくりとした1つの要求が降りてきて、それを要件定義するところから始めた。

ユーザーの運用シーンやどのような要件があったらより便利かを見つけるために、自社の市場部門にヒアリングしたり、多くの開発チームメンバーにも意見を聞きながら「こんなこともできたら便利だよね。」を基本的に組み込んで要件定義して開発して行った。

振り返ると、ユーザーが本当にその機能で満足するのか、その機能が使われるのかを想像で組み込み、開発工数がかなり膨らんだ。

結果として、実装してくれる協力会社メンバーにかなり無理してもらったし、複雑な仕様になった分、詳細設計では自分もかなり苦労した。もちろんテストフェーズでは不具合もたくさん出た。

無事、新機能は新製品に搭載されてリリースされたものの、まだユーザーからの感想は得られていない。正直、かなりビクビクしている。笑

この時の教訓は、最初は最低限の要求を満たせるミニマムな機能として、市場に出した後にユーザーの声を聞きながら適宜バージョンアップで便利にしていくべきだということ。

これまで3年半メーカーでソフトウェアを開発してきて一番の教訓といっても過言ではない。

ソフトウェア開発時にビジネスの観点はなかったので、全く同じではないが、似たような経験だった。

今回も、ビジネスとして収益化が見込めることと、ユーザーの本質的欲求の積集合を新規サービスのスタートとすべきだと学んだ。

ユーザーの本質的欲求を取捨選択するところから再開したいと思う。

今回の振り返りは以上です。

それでは。

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