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洗濯物を干す。
あの季節、ベランダから見える街並みは21年生きてきた私の人生で、きっと一番きれいだった。洗濯物がゆれて、洗剤の香りがして、もう一生忘れられないだろうなと思った。知らない人たちが住むこの街で、知っているのはあなただけのこの街で、
誰にもしがみつけずに泣いた。
白と黒のおとこのこは、もう会えないみたいに突然いなくなってしまった。
仲良しだったあの子も、毎日挨拶をかわしたおじいちゃんも、好きだった先生も。頑張れば会えるかもしれないけど、いろんな思いが邪魔をして、だからもう二度と会えないかもしれない。
いつも心残りになるお別ればっかりなんだ。
みんな さよなら くらい言ってくれたらいいのに。そしたらちゃんと思い出にできるのに。
ずっと会いたかった人たちに会えた夢だった
だから起きたら家に誰もいない時の気持ちになった
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