1DKの夜
ビカビカ
青白い光が 眼球をぶっさす
「ねぇ、わたしはどうしたらいい?」
ぎゅるぎゅると 内臓が動いている
とくとくと 心臓が動いている
この小さな部屋の酸素
わたしがぜんぶ 使い果たしてしまうまえに
「わたしはちゃんと、ここにいますか?」
ぼんやりと わたしが浮かび上がる
とろとろと 輪郭がとけていく
ここにとどまっていなければならない
ここから消えたってかまわない
どっちだろう?
わからない
長方形の薄い機械をにぎりしめる
冷くて 固い 息はしていない
世界中の人間をつめこんだこの機械なら
なにかを知っているだろうか?
「ねぇ、わたしはここにいていいの?」
ビカビカ
青白い光が 眼球をぶっさす
その光の奥 知らない少女の顔が見えた
「ここには、答えなんてないよ」
ぎゅるぎゅると 内臓が動いている
とくとくと 心臓がうごいている
この小さな部屋は
わたしが吐き出した二酸化炭素でみたされていく
あの子はいったい
だれだったんだろう
わたしはいったい
なにを求めていたのだろう
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