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6*助けあおう

バルアトルケものがたりⅡ*6

ピリルは続けました。

「今日、朝起きたら、ひたいがむずむずしてしょうがなかったんだ。いろいろしていたら、けむりまで出てきちゃったんだよ。」

セオナルドは、驚き、ピリルを見ました。

「けむり?見た目はとくになんともないけどな?今もむずむずしてる?」

「ううん。今はもうなんともない。おとうさんに聞いたら、ぼくの「ちから」が目覚めたんだって。それで「ちから」の訓練のために、毎日朝30分、目をつむって静かにすることになったんだ。」


「ピリルのちから!どんなちからなんだろう?!はやく知りたいなあ。」


「ぼくも。早く知りたいよ!おとうさんには「治す」ちから、おかあさんには「護る」ちからがあるんだって。」


「みんな違うちからをもっているんだね。今日勉強の時に、それぞれみんなが得意なことをやりながら助け合うんだって習ったよ。ぼくたちも助け合おうね。」


「もちろんさ。これからが、本当に楽しみだね。」


サンドイッチを食べ終わったふたりは、おなかがいっぱいになり、木のしたで、寝転んで空を眺めていました。

雲がどんどん形を変えながら、流れていきます。

少しの間、黙っていたセオナルドが言いました。

「ピリル、今日ちょっとだけ、遠くに行ってみない?晩御飯までは、まだ充分時間もあるし。」


「そうだね!行ってみよう!」








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