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11*ドラゴンの洞穴へ

バルアトルケものがたりⅢ*11


ピリルは我に返りました。ちょっと離れたところにセオナルドとアリィがすわっています。

「ピリル、大丈夫?」

ぽーっとしているピリルを心配してセオナルドが聞きました。ピリルはうなずいて、アリィに聞きました。

「ここらへんに洞窟ってあるのかなあ?思い当たる?」

アリィはスケッチブックから顔を上げて答えました。

「このビーチを曲がってもっと先にいくと岩場があって、洞穴のようになっているところがあるの。おとうさんが話してた、子供は危ないからって行ったことがないけど。」

「そのほらあなに、ドラゴンがいると思うんだ。僕が見た小さなドラゴンともっともっと大きい何か。だぶんドラゴンのおかあさん。助けが欲しいんだと思う。」

「明るい昼間のうちに行ってみよう。家に一回戻って、かばんを持ってくる。」

セオナルドは言って立ち上がりました。

3人は家に戻り、アリィのおばさんが作っておいてくれた朝ごはんをたべて、手早く仕度をしました。

アリィは居間の棚から薬箱を取り出して、いつもの巾着袋に入れました。水筒とビスケットは大きなテーブルクロスに包んでピリルが担ぎました。


家を出るときに、アリィは何気なく、棚に置いていた貝殻を巾着袋に入れました。貝殻は海辺で拾ったもので、細長い楕円形をしていて濃い青色。ところどころ虹色に輝いています。



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