１８＊ルミナ島のドラゴン

バルアトルケものがたりⅢ

スカイは話し始めました。

「ご存じのように、ドラゴンは北にあるルミナ島と言うところに住んでいます。ルミナ島は古くから世界の始まりの場所といわれ、わたしたちはルミナ島を護っているのです。

ルミナ島は真ん中に火山が高くそびえていて、火山の周り、裾野には木々が生い茂っています。火山の地熱のおかげで世界中の木々が生えています。火山口付近は特に神聖な場所と言われていて、季節ごとの儀式が開かれています。

ドラゴンにはそれぞれ役目があります。風を司るドラゴン、水を司るドラゴン、火を司るドラゴン、土を司るドラゴン。月や星を司るドラゴンなど、様々です。わたしは風のドラゴンです。

今年になって、森の木々に元気がなくなっています。それも、ある特定のエリアでは元気に生えている木が特にダメージが強い。ルプアの木です。

ルプアはこのあたりが原産地といわれているので、何かヒントがあるのでは、と調査に来ているうちに具合が悪くなってしまったのです。」