7*アリィの家
バルアトルケものがたりⅢ*7
3人はセオナルドのおかあさんのサンドイッチを食べたあと、丘を3つ越え、ようやくアリィの住む村に着きました。
村は家同士が近く隣り合っていて通りも狭く、セオナルドの村とはだいぶ違います。エアリィの家は村のメイン通りのつきあたりにありました。
家の正面の庭には、ラベンダーなど色とりどりの花がたくさん咲いています。
「ちょっと待ってて。鍵をとってくる。」
アリィは家の裏手に回り、すぐ戻ってきました。そしてドアを開けました。
「さあ、はいって。お茶の用意をしてくるね。」
アリィはそのまま部屋を通り抜け、右隣の部屋にあるキッチンへ行きました。
「おじゃまします」
セオナルドとピリルは、家の中に入りました。そして、息をのみました。
「・・・うわあ。すごい!これはアリィのおかあさんが・・・描いたの?」
ピリルがアリィに聞こえるように大きな声で聞きました。
壁一面に絵が描いてあるのです。入って左側は淡い緑色のグラデーションで、淡い黄色や薄い薄いピンク色などの小さな花々がつぼみを持って描かれています。
正面の壁には、大きな窓があり、窓を取り囲むように花が描かれています。花は咲いていて、色鮮やかです。
右側の壁は、木が一面に描かれています。正面の壁から続いてグラデーションになっていて、葉の緑色が黄色、黄色からオレンジ、赤へと変化しています。
「一年の景色が描いてあるの。振り返って見て見て~。」
アリィの言葉にふたりが振り向くと、その壁は真っ白な山々がつらなった白銀の景色でした。描かれている動物もすべて白い動物ばかりです。
セオナルドとピリルはそれぞれ壁のそばに行って描かれた絵をみたり、窓から外を見ていました。窓からは海が見えます。
「お茶の用意ができたよ!こっちにどうぞ」
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