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17*洞穴の中では(6)

バルアトルケものがたり*17

ザーッ ザーッ ザーッ

ドラゴンは動き向きを変えました。おかあさんドラゴンの鼻先には小さなドラゴンが乗っています。小さなドラゴンはおかあさんから飛び立って、3人のところまで降りてきました。

「ありがとう。薬がきいたみたい。喉のつかえがとれて楽になったって。」

小さなドラゴンは、言いました。

「きみのおかあさん、お腹すいていると思うから、今食べ物を出すね。」

セオナルドが言ってスプーンを出しました。

「ウトガリア ウトガリア ナンミセアワシ」


スプーンから煙がでてきます。綿飴はあっという間に大きくなって行きます。セオナルドが持っているには大きくなりすぎたので、セオナルドがスプーンを地面に置きました。綿飴は洞穴の天井にとどくほど大きくなり、動きを止めました。

「どうぞ、たべてください。」

セオナルドの声に、おかあさんドラゴンはうなずいて、口を開けました。

パクッ

一飲みです。その途端、スプーンからまた、煙が出始めて綿飴になっていきます。2個目の綿飴もとても大きいままです。大きすぎて変化がわかりません。そのままドラゴンのお母さんは食べ続けていきます。

8個目を食べたあたりから綿飴が小さくなっていくのがわかりはじめ、17個食べたところで綿飴はでなくなりました。

「本当にどうもありがとう。何とお礼を言ったらいいかわかりません。わたしはスカイ、この子はルシスです。」

3人もそれぞれ自己紹介をしたところで、セオナルドが聞きました。

「ぼく、ドラゴンはもっと北の方に住んでいると聞きました。なにがあったんですか?」




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