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9*おふろ

バルアトルケものがたりⅡ*9

「お湯、すぐ用意できるから、ちょっとまっててね。」

セオナルドのおかあさんは、お鍋に水を足しました。

セオナルドのお土産のクローバーをゆがくために、お湯を沸かしてあったのですが、足りません。

セオナルドは、その場で服を脱ぎ始めてしまいました。パサパサと砂が床にこぼれ落ちる音が聞こえています。

「あらあら、もう脱いじゃったのね。服はここに置かないで先におふろ場に持って行ってね。」

セオナルドの家のおふろ場は、キッチンの隣にあります。

土間になっていて、石が敷き詰めてあります。

バスタブは大きな木を縦に半分に切って、中がくりぬいてあります。横に穴があけてあって、使った水を外に排水できるようになっています。外壁には雨水を貯めるタンクが備え付けてあり、バスタブの上についている蛇口につながっています。普段はバスタブにお湯をためることはありません。木でできた手桶に水をいれ、お湯をたしながら、体を洗います。

セオナルドが、おふろばに服を置いて戻ってきたので、おかあさんはお湯をお鍋からちいさなやかんにいれて、セオナルドに渡しました。

「熱いから気を付けてね。」

セオナルドはおふろばに行き、やかんをバスタブのとなりに置いてある小さな木の椅子の上に置きました。椅子の背にタオルをかけて、バスタブの中に座って、体を洗い始めました。


「おかあさ~~ん!お湯が茶色になるよ~~」

セオナルドの声に、おかあさんは

「だから言ったでしょ~?ちゃんと髪の毛も洗うのよ!」

言いながら様子を見に来ました。


すっかりきれいになったセオナルド。薄茶色に見えた髪の毛は、薄い金髪にもどり、光っています。

セオナルドのおかあさんは、体をふくのを手伝いながら言いました。


「おとうさんは、今日少しおそくなるって言っていたから、ごはん食べましょう。」






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