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8*海辺で

バルアトルケものがたりⅢ*8

3人は夕食代わりにセオナルドのおかあさんのサンドイッチを食べ、お茶を飲み、休みました。

季節は夏 まだまだ日はたかく、外を散策するには充分です。

アリィの家の裏庭から細い遊歩道が、ビーチにむかってのびています。3人はビーチへと歩いていきました。

初めて聞く波の音が耳にやさしく響いてきます。潮の香りも、ビーチの貝殻の感触も、すべてが新しい経験です。

ピリルは少し先の浪打際を走りながら行ったり来たり、はしゃいでいます。


「セオナルドー!アリィ!こっちにおいでよー!」


ビーチの端には平らで大きな岩があったので、3人は並んで座り、海を眺めることにしました。

水平線に太陽がすこしずつ近づいていきます。空の色が青から薄い青へ、白い光が射し、そこからピンク色、オレンジへと広がっていきます。遠くの海にうつる太陽はゆらゆらとゆれて一日の終わりを惜しんでいるかのようです。

「きれい」

アリィがぽつんとつぶやきました。



「アリィ!アリィ!」


アリィの家の方から誰かが呼んでいます。振り向いたアリィは

「あ、おばさんだ。様子を見に来てくれたんだ。家に戻ろう。」

立ち上がって手を振りました。


「明日朝ここに来よう。ピリルの朝の時間をここでやるんだ。」

セオナルドの言葉にアリィとピリルもうなずきました。





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