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10*バーベキュウのあと

バルアトルケものがたりⅣ*10

バーベキュウには新しい友達、ルミナ島から来たドラゴン、スカイとルシス、森の奥の奥のりんご(ルプア)の木を護っているアースも来て、みんなで楽しい夜をすごしました。

エルダーワインを飲んでいる、男たちセオナルドのおとうさん、アリィのおとうさんのカイト、ピリルのお父さんユニコーン、アースはそれぞれ自分たちの得意なこと、家を建てることや、治すこと、りんごの世話のことなどを話しています。

セオナルドのお母さんとピリルのおかあさんユニコーン、スカイも男たちの話に耳を傾けては何かを耳打ちしあって笑ったりしています。

セオナルドとアリィ、ピリルとルシスは誰が一番炎のそばまで行けるか、根競べをしています。

燃えさかる炎はゴウゴウと音を立て、ときどきパチパチと木がはぜ小さな真っ赤なかたまりが転がり出てまわりの草を焼きます。

その火が広がらないように大急ぎで踏んで消していくうちに、こどもたちは踊りだしていました。

炎の周りで踊りだした子供たちをみて、カイトがフォークでお皿のふちをたたいてリズムを取り出しました。セオナルドのお父さんはコップのふちを吹いて音をだし、合わせます。お父さんユニコーンは固い蹄で木の切り株をたたいて音をだし、アースは後ろのポケットから木で作った縦笛をとりだして、吹きはじめました。

はじまった音楽とダンスにおかあさんたちは笑いあってうなずきました。おかあさんユニコーンはお父さんユニコーンの隣にいき、音をだしはじめ、スカイは長い尻尾をふりまわし、びゅんびゅんと音をだします。みんなの音楽に合わせて、セオナルドのお母さんは、歌いだしました。


燃えろ 燃えろ 空高く

その熱はすべてを清める 

形あるものは灰になり 大地へと戻る

炎の熱はおのれのちからをよび覚まし 

さきへと歩くちからとなる

火のように燃えるその星は夜空にきらめき

地のほのおとともに踊りをおどる

燃えろ 燃えろ 空高く

天と地のちからが結ばれ ひとつになる

そのために


ほのおの先からオレンジ色の光の粒が巻き上がり、空に登って行きます。

その様子はまるで炎が空に手を差し伸べているような、空を手繰り寄せようとしているかのような、不思議な力に満ちていました。




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