13*川辺で
バルアトルケものがたりⅡ*13
セオナルドとピリルは森の中に流れている川辺で遊んでいました。
川幅は広くて、ところどころ中央が浅くもりあがり、葦が生い茂って水鳥たちの楽園になっています。鳥たちはのんびりとえさをついばんだり、日向ぼっこをしたりと寛いでいます。
「朝の時間に、いつも見える景色があるんだよ。水がいっぱいあって、それは海、らくて、そばに古い崩れた家があるんだ。」
ピリルが言いました。
「ぼく、海って見たことも、行ったこともないんだ。どんななんだろう?
波があって、水はしょっぱいんだって。」
セオナルドが答えました。
「僕も海には行ったことがないよ。行ってみたいなあ。ああ、そうだ、今日か明日から、海のそばに住む村の人が僕の家にしばらく泊まるんだ。お父さんが家の建て方を教えてあげることになったから。」
「そうかあ、じゃあ海のこと、聞くことができるね!楽しみだ!」
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