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12*来客の準備

バルアトルケものがたりⅡ*12

セオナルドのおとうさんは朝ごはんの後、すぐにでかけなくてはなりませんでした。

旅の勉強は今日はお休みの日。セオナルドとおかあさんは大忙しでした。

普段使っていない部屋の窓を開けました。部屋には荷物だけがあって、いつもは閉めきっているので、むっとした古い木のにおいがしています。セオナルドとおかあさんは、部屋の外にどんどん荷物を出していきます。

荷物を全部出し終わると、家の壁には新しいドアが隣にあらわれ、そのドアを開けると荷物をしまうのにちょうどよい広さの新しい部屋ができていました。

新しい部屋に荷物を入れて、元の部屋に戻ると、そこにはベッドと小さなたんす、机がありました。部屋全体に、はたきをかけ、掃き掃除と拭き掃除もし、床にはミツバチのみつろうを薄めたワックスもかけました。

部屋には花と松脂の香りを混ぜたような香りがうっすらと漂っています。

部屋の掃除の後、お客さん用のシーツと毛布と枕に、風を通すため、庭の洗濯ロープに干しました。ラベンダーのしげみの上に枕カバーをのせました。こうすると枕カバーにほんのりラベンダーの香りが移ります。

「お客さん、海のそばの村から来るんだよね。海の話を聞くの、楽しみだなあ。」

セオナルドは言いました。

「そうね、まだ海に行ったことなかったものね。楽しみね。」

おかあさんも言いました。



「セオナルド~~~!一緒にあそぼう~~~!!!」

ピリルの声が響き、ふたりは顔を見合わせました。


「もうほとんど準備は終わったから大丈夫よ。ありがとう。」

セオナルドのおかあさんは言い、セオナルドはうなずいたあと、大きな声で返事をしました。

「今行くよ~~~!!!」






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