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私の潰瘍性大腸炎日記 2021から2024

潰瘍性大腸炎を患ってから3年ちょっと経とうとしている。
あの時何が起きたかを振り返るために書き起こしておくことにしよう。


2021

7月中旬発症 最初は痔だと思っていたが、日に20回以上の下痢、便器が血で染まる、いちごジャムみたいな便とは似つかないものしか出なくなる、体が重すぎて動けない、息をするのも一苦労といった明らかに異常な事態の数々に、自身の身に普通でないことが起きだしていることを実感する。
最初に駆け込んだのは町医者であった。
ここで強力な下痢止めを処方されたのにも関わらず全く収まらないことから専門的な診察と治療の行える大病院へと紹介を受けることになる。

8月大病院での診察と治療開始。大腸の状態を見るため内視鏡検査があった。
ぬるくてぬめりけたっぷりのモビプレップという名の下剤を飲むのにとんでもなく苦労した。検査の腹の中に空気がたまって息苦しさから逃れられないあの感覚は今も忘れられないトラウマとなってしまった。
結果は全大腸型中等症の潰瘍性大腸炎。
血液検査の数値的には非常に軽く炎症範囲も狭いと予想していたとのことだったが、ここまで広がっていたことと中等症レベルまで達していたことは主治医も意外であったことを告げられた。
ペンタサとビオスリーで治療が始まった。
結果はすぐに出て一か月近く苦しんだ症状はあっという間に消えた。
大腸の中にあったものをすべて出した影響であろうか、しばらくの間炎症も見られずこのまま一時的なことで終わるのだろうなと思っていた。

12月 
1度目の再燃。平穏は破られてしまった。
今度は既にペンタサとビオスリーの治療の最中での悪化だったためステロイドの投与を開始した。
初期投与量30mgから2週間ごとに5mgずつ減らしていくこれからお馴染みになる治療法だ。
またしても結果はすぐに出てステロイド投与30mgのうちに治った。
2週間すらかからなかったためステロイドという薬物に対して非常に感心した覚えがある。
話は変わるがステロイドは総投与量が7000mgを超えたあたりから重篤で不可逆な副作用があることをインターネットで調べて知った。
だからステロイド治療の際にはずっと不安である。
それは今も続いている。

2022

1月 2月 3月とステロイドの量を段階的に減らしていくことに成功した。
俺はラッキーな人間で、この後もきっとラッキーな展開が続いていくのだろうなとそう思っていたような気がする。
4月ごろペンタサとビオスリーのみの寛解維持療法に移行する。
この年は奇跡的に腹の調子がいい年であった。
やっぱり俺は奇跡的にラッキーな人間で初回を含めると2度の炎症で終わるのだとそう思っていた。
それくらいこの平穏は長かった。

2023

3月ごろから体調を崩しだす。
前述したとおり私はステロイドの副作用に対して過敏になってしまっていたが故に少し治療が遅れた。
いや、遅らせたといったほうが正しい。
私ほど世界でラッキーな人間はいないと思っていたから、今回は前回と違ってペンタサとビオスリーで乗り切れると思ってしまった。
願いは全く通じず症状は悪化していった。
今回もステロイド30mgから初めて2週間ごとに5mgずつ減らすいつもの治療法。
しかしながら一か月間血便が止まらなかった。
今思えば徐々にステロイド抵抗性や難治性に移行が始まりだしていたのかもしれない。
4,5,6,7,8月と徐々にステロイドの量を減らしていっていつもの寛解維持療法へと移行。

11月再燃
今回は前回の反省を生かしてすぐにステロイドの治療に移行した。
再燃のペースが徐々に早くなっているため免疫抑制剤であるアザニンの追加もした。
これが非常に体に合わず、一日中吐き気と体の重さに悩まされることになった。
潰瘍性大腸炎に悩まされているのか、アザニンに痛めつけられているのかわかないそんな状態であった。
主治医と相談の上アザニンは2週間ほどでやめることにした。
血便が出なくなるまで2か月ちょっとかかった。
体に大きな負担がかかるステロイドの治療がうまく進まないことに非常に大きなストレスを抱えることになった。
今度もまたステロイド30mgからいつもの治療法である。

2024

元旦ごろに血便は解消し、おなかの違和感も消失、ステロイド相変わらずよく効くなと思っていたが、1月中旬ごろ少量の血便が混じる、腹に差すような痛みが走るなど、様子のおかしな点が出てきたため、生物学的製剤であるシンポニーによる治療を始めてもらうことになった。
効果はてきめんであっという間におなかのちくちくも少しあった出血もなくなってしまった。
お腹の症状は消えたが未だに12.5mgほどステロイドを飲んでいる現状である。
総投与量は3000mgを超えてしまったであろう。
体に不可逆で重篤な副作用が出るラインが徐々に迫ってきている。
この1年ステロイド漬けの体である。
確実に骨粗鬆症や筋力の大幅な低下など影響は節々に出ていると思う。
ふと大腿骨頭壊死症のことが頭によぎる。
考えればきりがないことばかりである。
最近はめっきり物事に集中できなくなってしまった。
思考の途中に虚しさのような雑音が挟まるのだ。
本当に考えればきりがないことだらけなのだ。
いつか元気になる日が来るのだろうか、私はもう、そうとは思えない。




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