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#4 【コラム】NHK大河ドラマ『光る君へ』の打毬シーンを見て。打毬とゴルフの関り


 みなさん、今年のNHK大河ドラマ『光る君へ』¹は観ていらっしゃいますか?先週、2月18日に放送された「第7回おかしきことこそ」では、打毬(だきゅう)²をプレーするシーンがありました。打毬といえば、第二次世界大戦中にゴルフを救ったありがたい遊戯!私は少々前のめり気味で打毬のシーンを観てしまいましたが、一番驚いたのはプレーヤーが馬に乗っていたことです。

 「ゴルフは日本古来の遊戯を復活させたものである」³・・・JGAの70年史には当時の理事長・石井光次郎が、政府を相手にこう主張したとあります。舶来色の強いスポーツは排除される危機にあった時世です。ゴルフを日本古来の遊戯=打毬と主張することで、弾圧から免れたわけです。今となっては苦しい言い訳ですが、戦争が終わるまでゴルフは「打球(だきゅう)」と名前を変えて生き残ることに成功しました。(昭和20年10月5日、大日本体育会・打球部解散)

 しかし、「打毬」そのものについて知識不足だった私は、ゴルフのように徒歩で行うもの、と思い込んでいました。ドラマの放送を機に色々調べてみたところ、打毬のルーツとなった競技はペルシャから発し、東へ西へ、馬上か徒歩か、様々に変容しながら発展していきます。(興味を持たれた方は、参考URLのリンク先へ)

 宮内庁のホームページ⁴によると、打毬の由来は諸説ありますが、822年に渤海(パレ←朝鮮半島北部にかつて存在した国家)を通じて唐の打毬が伝わった説が有力視されています。その起源は馬術競技の「ポロ」と同じとされ…つまりかなり初期のころから馬上で行われており、これをゴルフの祖と主張したJGAの理事長は正直スゴイと思いました。

 さいごに…大河ドラマを観ている方も観ていない方も、ゴルフにも関わりのある打毬について、少しでも関心を持って頂けたらと思います。何より、私たちがこうして現在ゴルフができているのは「打毬」のおかげなのですから。



追記⑴:春日大社に現存する雅楽用の打毬の毬杖と毬子の複製がJGAゴルフミュージアムに展示されています。

写真 『JGAゴルフミュージアム公式ガイドブック』より


参考文献・参考URL
1)大河ドラマ「光る君へ」 - NHK
2)をしへて! 佐多芳彦さん ~平安貴族が楽しんだ打毬ってどんな競技? - 大河ドラマ「光る君へ」 - NHK
3)財団法人日本ゴルフ協会70年史編纂委員会『日本ゴルフ協会七十年史』p.39。
4)打毬(だきゅう) - 宮内庁 (kunaicho.go.jp)

JGAゴルフミュージアム
http://www.jga.or.jp/jga/html/museum/index/index.html

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