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タリーズでグランデ。

その気持ちは例えるなら、Cmaj7。
5月末までと書かれたサービス券を持っていたので、タリーズさんに向かいました。そのサービス券には「2杯まで50%」オフ」と書いてあります。その内容を最大限享受するには①誰かをさそう ②店内で飲む1杯とは別に、テイクアウトでもう1杯購入する。③ひとりだけど2杯注文する。
①は急に思い立ったので無理。店先で知らない人に声をかける勇気もない。  ②も「アイスコーヒー氷なしで」と言えばよかったかもしれないが、帰りの経路もきめていなかったので。
③人目が気になって・・・。
というわけで、せめて50%オフを享受するために「グランデ」を頼む。
オーダーを受けてくれた若い男性は恐る恐る「念のためですが、2杯まで適用できますが、よろしいですか?」と聞いてくれた。

私の心が尖っていたら「独りなの見ればわかるでしょ。2杯も飲まないよ」と返したかもしれないが、前述の3通りを考えた末なので、笑顔で「大丈夫です、独りだし承知しています」と穏やかに返答した。
気持ちに余裕があれば、楽しい気分を保てるものだ。安心と明るさは、すなわちコードでいえば「C」の響き。

レジのやり取りは、今では少なくなったコミュニケーションの大切なひとときである。 スーパーマーケットもコンビニも「セルフレジ」を増やしてばかりで、対面は「非接触で安全」などと言っているが、対話チャンスを明らかに削いでいる。私はショッピングセンターの管理会社に勤務しているが、最近は「スタッフの態度が悪い」という意見が少なくなった気がする。
これはサービスレベルが上がったのか?消費者に「諦め」が浸透したのか?
両面があると思う。昭和生まれの高齢者(人口の27%?)は、幼い頃には
買い物は現金、レジスターもなく「ざる」からお釣りをもらった記憶のある世代だ。「割引券」なんてない時代。でも毎回「おまけ」が付いてきた時代。懐かしいという言葉に括っておくことしか出来なくなった、良き思い出。

私には珍しく、図書館で借りた本を持ち込んだ。金曜の午後、このためだけに割引券を利用しにきたのだ。グランデをゆっくりと飲みながら、およそ70分。BGMはジャズだが、パット・メセニーかな?一聴でわかるほど聞きこんではいないけど、ウェスやケニーではなく、かといって最近のテクニカル系でもなさそうだ。
帰り際に、本を閉じて装丁を見たときに、タイトルをみてさらに安心が深まった。
「なにごともなく晴天。」
こうでなくては。こういうのがいい。
次回は定価でもグランデをオーダーしてみよう。












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