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Goldilocks パートナー永野広志(ポール)さんインタビュー

Goldilocksのメンバーの考えや人となりを第3者目線でじっくり聞いていく『DEEP INTERVIEW』。Goldilocksは複数のプロジェクトを進める実験企業です。プロジェクトごとに関わるスタッフも変わるギルド組織でもあります。Goldilocksを外部から支えるパートナーにお話を聞いていきます。今回はコピーライターの永野広志さんにお話を聞きました。

< 聞き手・写真:でんみちこ(Goldilocks PR)>

ー今日はどうぞよろしくお願いします!永野さんと言うのも変なので、いつも通りポールくんと呼ばせていただきます。なぜポールくんと呼ばれているんでしたっけ?

ポール:はい。よろしくお願いします!周囲からはポールと呼ばれていまして、それは友達が僕の顔が「なんかポール・マッカートニーっぽい」と言ったからというだけの理由です。深い意味はありません。笑

ーポールくんは私の10年来の友人で、今年の春にGoldilocksのミッション・ビジョン・バリュー(MVV)を決めるプロジェクトが始まった頃に言葉を整理する必要が出てきた時に声をかけて加わってもらいました。そこから始まって今では継続的に色々やってもらってますよね。どんなことをしてきましたっけ?

ポール:MVVを決めるために初めに打ち合わせをした時に、コアに関わっているみなさんの話をじっくり聞くのがいいかなと思って、川路さんはじめ、小山さんやあやさんにインタビューをしました。みなさんの過去のことから現在思っていることまで洗いざらい聞きまして。そこから、今何を大事にしたいのか、会社のコアがなんなのかを言語化していってMVVが決まったのですが、インタビューもコンテンツとして有益だと思ったので、それをそのまま記事化しました。

ーそれがこのパートナーメンバーのインタビューにもつながっていますね。私が引き継いでやっていますが、インタビューって人を深ぼることができて、その人の考えや行動の源泉を知ることができてとても楽しいです。

ポール:そうなんですよね。とても人を知るっておもしろいし、聞かれる側も質問をされることで考えることができるし、それを言葉にして伝えることも気持ちいいと感じると思います。

GoldilocksではそのMVVをすぐにBOOKにしました。自分はデザイナーではないけど、川路さんがすぐに形にしたいと言うので、爆速でデザインして入稿までやりました。笑 

あとはプロジェクトが複数同時進行しているので、それぞれのプロジェクトのコピー周りの整理をしています。昨日も川路さんから連絡が来て新プロジェクトのコンセプトワークをしてそのプロジェクトをひと言で言うと何かってのを決めました。

ーあら、それ私知らない!ほんと油断するとすぐに新しいプロジェクトが始まるから…。も〜。笑 でもおもしろそうな企画だなぁ。いつも感心するのだけど、どうしてそういう風にきれいに整理することができるの?

ポール:自分の仕事はマッサージ屋に近いかなと思っています。凝り固まっているところがどこかを探り当てて、そこをほぐしていく。感覚的なものではなくて、とてもロジカルだと思う。一番問題になっているところはなんだろう?ゴールは何?それを解決するための筋道をどう描いたらいいか、それを日常的に考えるのをクセにしています。それが見定められるととてもシンプルな形になって言語化できて気持ちよく伝えられるようになる。自分はその言葉を決めて提示するのが役割だと思って関わっています。

ースッキリした形にする仕事をしているポールくんの幼少期ってどんな少年だったんですか?

ポール:うーん、ずっとしゃべってふざけてばかりの子供で、あまりにもうるさいから先生からガムテープで口をぐるぐる巻きにされてしゃべれないようにされたり、廊下に机と椅子を出されてそこで授業を受けたりしてました。笑 問題児なんだけど、テストの点数はいいからそれも先生にとってはまた面倒な生徒だったと思う。笑 親に何か習い事をしてもいいよって言われたけど、生きるモチベーションが給食とドッジボールとキックベースと漫画のジャンプだったから、習い事をしたらそれらを楽しむ時間が減るから嫌だと思って何も習い事はしなかったかな。

ーどんだけ?笑 中学校になってもずっとしゃべってたの?何か夢中になったものとかありますか?

ポール:そうですね。引き続き中学でもずっとしゃべってた。ヤンキーが多い学校で1学年に金髪の子が20人くらいはいるような環境だったけど、自分はそっち側には行かなかった。でも文化祭とかではヤンキーと協力して龍のオブジェを一緒に作ってました。ヤンキーは龍とか好きだからそういう時は静かにがんばるんだよね。笑

ー環境とか周囲に影響されずにマイペースな印象だね。高校時代から大学までも聞いてもいいですか?

ポール:高校時代まで京都で過ごしていて、その頃一番興味のあったのが物理で、進学先を調べていたときに宇宙物理というものに出会って。それを専門的に勉強できるのが東北大学だったので受験して合格できたので仙台に住み始めました。大学に入学してすぐにオリエンテーションがあって色んなサークルが新入生を勧誘するのに必死でビラとか配ってるのに、一つだけビラも配らず裏庭で遊んでるサークルがあって、たまたまそこの人と話したらなんか肌に合う感覚があるから、集まりに行ってみたらとても居心地が良くて。それがその後ハマることになる鳥人間サークルでした。

手作りで人力飛行機を作って、飛ばすために授業が終わったらすぐ作業場に直行して作業したり、バイトに2時間だけ行ってすぐに戻ってきたり、朝まで作業したりもうとにかくブラック企業のような。でも、誰かが命令するからやってるんじゃなくて、みんな好きでやっている感じがよかった。

自分は幼稚園の時から基本的には一人で遊ぶタイプだけど、友達はいて。人と何かするときはあんまり相手に求めないというか、自分のこだわりは捨てる。みんなで何かをするのは好きだけど、コミュニケーションでドーパミンが出るわけではないんです。だから一緒に作業する人同士がめちゃめちゃ仲良しでなければいけないとか全く思わないし、一人抜けても「そっかー」くらいであまり何も思わないかな。

ー大学院にも進んでますよね。それはどうして?

ポール:大学4年の時に研究室に入るんだけど、そこでは何かやりたいものが強くあったわけではないので、先生に言われるがままやっていて、自分の研究をしたという感覚がなかったんだけど、周囲が進学する人が多くて流れの中でそういえば自分はまだ研究をしていないからちゃんとやってみようかなと思っていたところ、ちょうど”超伝導”というものに興味が湧いたので大学院に進んで研究しました。

ー超伝導…??

ポール:超伝導ってリニアモータカーとか核融合とかに使えて…(以下省略)

ーああ、、ごめんごめん。聞いた私が悪かった。全然わかんないや。ほんでもって、やっぱりポールくんはしゃべるの大好きだね。笑 超伝導をやった人がどうしてコピーライターになったのかな?

ポール:超伝導を研究していた時に教授に「この超伝導が本格的に世の中で活用されて役立てるようになるのにどのくらいかかりますか?」って聞いてみたら「300年後かな」って言われたんですよね。その時に自分がそのまま博士になって研究結果を論文にして発表していく人生はなんか違うかなと思いました。その頃周りは教授推薦で有名なメーカーの開発部門とか別の研究室に行くというのが王道だったんだけど、自分は何をしようかな?と考えた時になんかコピーを書くってのはできそうだなと思いついたんですよね。

性格的にむちゃくちゃ飽きっぽいから違うクライアントの仕事を手がけていけるってのもいいなって思って。それで広告代理店を中心に就活して某広告代理店に入りました。

ー初めからコピーライターになれたの?

ポール:はじめは営業に配属されて、読売新聞の四コマ漫画のコボちゃんの下にある広告の通称”コボ枠”を売る仕事をしてました。電話営業をしたり色々やったけど、お客さんに売りつけるってのに違和感があって全然自分には合ってないと思いながらやってました。でも6年もやるとうまくできるようになってきて、自分のとってきた仕事に好きなクリエイティブの人を配置したり、お客さんもスタッフもみんなが喜ぶような仕事をしたり、ある程度のところまで来たなと自分で思えた時にずっと出し続けていた異動願いが受理されてコピーライターになれました。

ーついに念願のコピーライターに!ずっとしゃべり続けていた少年が言葉を仕事にしたんだね。

ポール:営業をしていた頃から宣伝会議のコピーライター講座に通ったりして勉強をしていて、その頃からクラスの中でも賞をよくもらっていたから自分でも向いてるなって思えていたんです。なので、実は今だから言えるけど、営業の仕事しながら自分で取ってきた仕事のコピーを自分で考えてお客さんに提案とかしちゃってました。それが通ったりしてうれしかったりもしたけど、いざコピーライターになったら駆け出しの時は大きな仕事はもらえなくて。とにかく小さな仕事とか他の人が嫌がるような仕事をやって徐々に上のクリエイティブディレクターやお客さんに気に入られるようになって大きな仕事をさせてもらえるようになりました。

でも、自分が一番楽しいと思える仕事というのは、自分にない才能を持ったデザイナーや尊敬できる能力のある人とふざけながら形にすること。盛り上がりすぎて大爆笑して隣にいた経理の人に怒られたりするくらいの時もありました。それがもう最高。小学生の時から変わってませんね。笑

ーその後その会社を退社したと思うんだけど、どういう理由でやめたの?

ポール:いい仕事ができるようになって、このままこの会社にいればより大きな仕事も任されて行くんだろうなと思っていたけど、大企業との打ち合わせに30人くらいが参加していて一言も話さない人がたくさんいるのを見て、このままここにいると自分は、同じようなCMを同じようなやり方でつくりつづけるおじさんになっちゃいそう、と思ったんですよね。それでやめようと思いました。でも、まだデジタル関係の理解が弱いと思ったので、次の会社には独立する前提で入社させて欲しいとお願いして、了承してもらってデジタルを学ぶ目的で入りました。若い人が多い会社で事業を作り出すことの多い環境はとても刺激的で、最先端のことが好きな若手からたくさん教えてもらうことがありました。学びがあって、コロナになって在宅での作業が多くなったので、一旦区切りをつける意味で退社してフリーランスになりました。

ーフリーランスになってどう?

ポール:ストレスがなさすぎてすごいです。笑 無意味な会議もないし上司も部下もいないし、稼働が少なくて稼ぎが多い。でも、大きなミッションは自分で作らないといけないと思ってます。去年半年間かけて世界一周の旅をしてきたことも自分にとっては大きく得るものがあったと感じています。

ーGoldilocksという会社はポールくんから見てどう見えていますか?

ポール:変な会社。(即答)

ー即答すぎるw

ポール:とにかく川路さんが変わってる。同時並行で複数のプロジェクトが走っていて、よくそんなに見ることができるなと。大量にやっているとパンクするけど、デジタルをうまく使ってコミュニケーションや進行の効率化を図っているところがいいんだと思う。あと人に任せまくるし、いい意味で割り切っていて「それもいいね」で進めようとする姿勢がすごい。スピード感が異常なのもおもしろい。

自分はこれまで広告周りを見てきて、webサイトや映像やイベントなんかのソフト部分を作る仕事をしてきたけど、Goldilocksは建物などハードから作るプロジェクトもあって、その辺はこれまで経験してきていないので、関わっている中で初めて知ることがたくさんあるし、出会える人もこれまで会えなかった人が多いので新鮮です。

Goldilocksとも川路さんとも馬が合うと思えています。
それはこれまで川路さんが大きなディベロッパーで仕事をされて数々のプロジェクトを形にしてきたという実績に対しての信頼感があってちゃんとビジネスとしてまとめてくれるんだろうな、という感覚があるからですね。

ーGoldilocksがもっとよくなるためにするといいと思うことはありますか?

ポール:今進めていることを形にするためにも、スタックすることがないよう管理することができる優秀なプロジェクトマネージャーが何人かいるといいと思います。そして事例をたくさん作ることでもっとGoldilocksを知ってもらえると思うので、実績作りを頑張るといいと思います。

ーありがとうございます!引き続き一緒に頑張っていきましょう!

永野広志さん  プロフィール
大学で人力飛行機をつくり、読売広告社、サイバーエージェントを経て独立。屋号はPaul.(顔がポール・マッカートニーっぽいから)。TVCMからバナーまでなんでもつくる。クライアントを巻き込んだキャンペーン構築、メディアと組んだクリエイティブ開発、AI、VR、バーチャルイベント、映画脚本、スチール撮影、イラスト、インタビュー、ノンアルコールバー店長、クラウドファンディング、世界一周など節操なく手を出しがち。
https://note.com/door13/

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