見出し画像

とにかく貼るだけ旅ノート フィンランドノート⑤

2008年27歳、フィンランド1人旅の記録。
それがこのフィンランドノート。ヘルシンキにあるデパート、ソコスでこのマリメッコのノートを1.2ユーロで買った(スティックのりも)。これがはじまり。そこにレシートをどんどん貼りつけた。いくら使ったのか、把握したかったのもある。全てのいろんなものを何でも貼って、ささいな出来事をメモする。1人だから書く時間はたっぷりあった。誰に見せるでもないから、ばーっと走り書き。今日をふりかえる。

①例えば、ヨーグルトのフタ

スーパーで買ったヨーグルト。そのフタを貼った。ヨーグルトが食べたかったけれどヨーグルト売り場が分からくなて、若い女の子に教えてもらった。親切な女の子はこっちこっちと手招きして売り場まで連れて行ってくれた。私はkiitos,kiitos(キートス・ありがとう)言っていた。

②例えば、アカデミア書店のレシート

アカデミア書店(映画かもめ食堂に出てきた本屋さん)のレシート。何かここで記念に買いたい、と思いながら見つけたのが、この手のひらにおさまる辞書。見つけた時、これはいい!って思った。書店は映画のイメージで行ったけれど「思ってた感じと違った」とメモしている。

③例えば、コーヒーやクマさんとか

そうそう、夜、コーヒーが無性に飲みたくなってホテル隣のマックに行った。夜は出歩かないと決めていたが、どうしてもコーヒーが飲みたかった。意を決して外に行く(バカみたいたが、このくらい気をつけていた)。
歩きながらフィンランド語でコーヒーはkahviだったな、とふいに思い出す。なぜかこんな時に使ってみたくなる。若い男の子に「カフゥヴィ」と注文する(今手元にあるガイドブックを見ると「カハヴィ」と書いてある。「フゥ」がダメだったか)。
若い男の子、眉間に思いっきりシワを寄せて
「パードン?」パードンの勢いに圧倒。
慌てて「コーヒー、プリーズ」と言い直す。無事コーヒーを受け取りホテルに持ち帰る。コーヒーを飲みながら、カフゥヴィとパードンをリフレイン。

そして、クマさん。スーパーでお酒を買ったら店員さん(女性)から鋭いまなざし。「パスポート!」手を差し出される。ひるみそうになったが、何もやましいことはないので堂々とパスポートを見せる。おばさんは私の顔をのぞきこみ、ふんっ、という顔でパスポートを返してきた。ホテルでこのクマさんのラベルをまじまじと見つめ、お酒を飲んだ。

などなど、ささいな出来事を思い出すひとことを私は書いている。

この〈フィンランドノート〉シリーズを書くにあたり、何度もこのノートを開いた。開くたび(旅)、思い出にひたる。ロゲさんの名刺。列車の切符。フィンエアーの機内食。チョコレートの包み紙。全部貼ってある。27歳の私はいいノートを作ったと思う。また旅することがあったら、こんなノートを再び作りたい。とにかく貼るだけ旅ノート!


今までに書いた
フィンランドノートを紹介します。
つながっていないので、
気になるタイトルから、
もし良かったらどうぞ。


Kiitos!

この記事が参加している募集