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Santa Claus Finland

1996年~1999年まで
毎年サンタクロースから手紙をもらった。
今手元に4通ある。
1年に何回かこの手紙をながめる。

中学の時、ラジオで基礎英語を聞いていた。
そのテキストに北欧のサンタクロースに
英語で手紙を書いてみよう!という
記事があった。※今このシステムはない。
国際返信用クーポンを同封し
宛名は「Santa Claus Finland」。
他にも何か国か載っていた。
世界中からの手紙で混みあうため、
早く書くこと。
そうしないとお返事は
クリスマスまでに間に合いません、
と書いてあった。
へぇ、おもしろい!
早速書いてみる。

この時からフィンランドが好きだった。
小学生の頃に見たムーミンのパペット
アニメーションに心奪われたからか。
おばさんがくれたこの絵本が
好きだったからか。

中3の秋、サンタクロースに
はじめて手紙を書いた。
・自己紹介文
・私はフィンランドが好きです。
・なぜかというと、~だからです。
・いつかフィンランドに行きたいです。
英語でたいした文章も書けないから、
結局毎年、同じような内容を書いた。

郵便局で「国際返信用クーポンを下さい」
とお願いし、同封する。
「フィンランドまで」と手渡す。
宛名は「Santa Claus Finland」。
窓口の女性が確認している。
はずかしいとは思わなかった。

いつお返事が届くのだろう、
毎日毎日ワクワクした。
待つ時間はたまらない。

ある日、学校から帰ってきたら
この手紙がポストに届いていた。
どこかで見たことのある絵だな、
と思ったらおばさんがくれた絵本の方。
マウリ・クンナスさんの絵だ。

この年だけ封筒の裏も印刷されていた


高1になっても出した。

高2の時、気の合う友だちに手紙を見せた。
基礎英語のテキスト記事も見せて。
書いてみない?と二人をさそう。
どこの国だったかな、
北欧の二か国に二人は出した。
私はまたフィンランドにして。
「届いたよ」とみんなで持ち寄った。
友だちが持ってきたのはハガキだった。
私は去年と同じく封筒。
しかもミニ絵本つき。
国によって違うんだね、
フィンランドのがいいね、と友だち。

高3の時も出した。
クリスマスが過ぎて、1月に来た。
はじめて日本語で書いてあった。

大学1年の時も出してみたけれど、
もう来なかった。
こりずに大学2年の時も出した。
もう来なかった。
サンタクロースの手紙システムが
整ったからだと思う。
国際返信用クーポンは同封したから
少しだけ寄附につながったりするのかな?
そうなるといいなあ。

毎回毎回、手紙の最後に
いつかフィンランドに行きたいです、
と書いていた。
短い旅行だったけど、
それは社会人になってかなえられた。

この4通の手紙はあの時と
かわることなく大事にしている。
世界中に同じ手紙が届いているとしても。
送る楽しみと、待つ楽しみを
この手紙を見ると思い出す。

メリークリスマス!

『サンタクロースと小人たち』の裏表紙