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原体験①中学時代 - 前編 -

本noteは下記記事に記載した通り、30年マルチ商法にハマる母親との間での体験談を、マルチ2世である子供の目線から書いてみようと思います。

マルチ商法にはまった母親の主な行動特性として、私が最も嫌なのは、

「マルチ商法に少しでも違和感を表明する人を敵と設定し、相手が参るまで徹底的に攻撃し続ける」ことです。

そして、攻撃するときは「周りをマインドコントロールし、味方につけ、相手を孤立させるやり方を取っている」と感じます。

前回紹介した本の中でもマインドコントロールという言葉が使われています。

これがマルチ商法による被害であると思っています。

そしてそれは、1人が終わったらまた別の人と、今のところ終わりがありません。

結果として、関係が消滅する等により違和感を表明する人が周囲にいなくなり、周りから見ると平穏な状況に見える、という状態に落ち着きます。

ただ、落ち着いたとしても、家族や親族には切っても切れない関係が発生します。

分かりやすい例では冠婚葬礼等にまつわる出来事ですかね。

一般的にもトラブルが起こることもある出来事にかけ合わさってトラブルが倍増します。

私の体験談を書くことで、少しでも、マルチ商法による被害の実態を知ってもらえたらと思います。


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今回は中学生の頃の話です。

円満な家庭

母親は僕が小学生の頃、既にマルチ商法をやっていたが、家庭は円満だった。

毎年家族旅行に行き、友人を招いて誕生日パーティーを開いていた。それなりに楽しい日々だった。

変化が訪れたのは、僕が小学校5年生で購入した一軒家。

どうしても自分の手で建てた家に住みたいとの母親の意向を踏まえ、20mほど離れた土地に家を建てた。結構背伸びした値段で。

2世帯住宅、子供部屋、趣味の部屋、等々、色々な想いのつまった家。

ワクワク、ドキドキしていたことを覚えている。

訪れた変化

しかし数年後、不況のあおりを受け、父は職を失い、家のローンだけが残ってしまった。

お金に困窮すると、何事もうまくいかなくなる。

ローン返済に追われ、両親は喧嘩が絶えない日々。

何かで稼がなければ、となり、母親のマルチ商法への依存度は高まった。

このときの自分への影響は直接的にはマルチ商法に関係するものではない。

確かに、飲みたくないプロテインやサプリを毎日飲まされていた。

僕の知り合いの親にも母親は製品を紹介し、勧誘していた。

ただ、自分の気づいた範囲では、結果として気まずい関係になった人は思い当たらない。

高校受験の報告

強い記憶に残っているのは、高校受験の報告を父方の祖父母に話したときのことだ。

僕は母親の提案をきっかけに、母親が通っていた市外の公立高校を志望することにした。

母方の祖父母の家に住み、そこから通う

背景は色々とあるが、僕が最終的に決断した理由は下記。
・もともと住んでいた学区の学力に不安があった
・家庭がぎすぎすしていたので、巻き込まれずに勉学に集中したかった
・母方の祖父母が大好きで、尊敬していた

父方の祖父母にとってはあまり気分の良い話ではないかもしれない。

ただ、僕は純粋に、新しい環境で勉強に励みたいと思っていた。

高校受験を間近に控えた冬休みのこと、父方の祖父母宅に親戚が集まった。

そこで、僕は、

「来年から、(母方の)おばあちゃん家に住んでそこから高校に通うことにするねん。」

そう話した。

そのとき言われた言葉は、

「そう。良い高校に行くんでしょうね。頑張ってね。」


文字に起こすと普通のことを言っていたのかもしれない。

だが、僕にはこう聞こえた。

「そう(ふーん)。(さぞ)良い高校に行くんでしょうね。(せいぜい)頑張ってね。」

直接的な言葉では言われていないが、僕はその場に居続けることができなかった。

そこからの時間の記憶はほとんどない。すぐに帰ったと思う。

それが父方の親族と会った最後の日だ。その後は、家庭のいざこざもあり全く会っていない。

この感情は、僕にとっては非常に大きかった。

悔しくて悔しくてたまらなかった。

絶対見返してやると思って、死に物狂いで勉強した。

結果、高校でめちゃくちゃ頑張って有名な国立大学に進学した。

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いま思うこと

これは、母親によるマインドコントロールの影響が大きかったのではないか、と感じています。

確かに、私は元々父方の祖父母とそんなに仲は良くありませんでした。

ただ、目に見えたトラブルは上述したものぐらいしか思い当たりません。

自分の記憶にある頃から既に母と父方の祖父母は仲が悪く、母からは常々、「祖父母から色んな罵声を浴びせられた」、との話を聞かされていました。

子どもにとって、母親からの話ほど信頼してしまうものはないと思います。

父方の祖父母=母親を傷つけた悪い人、という考えを長年刷り込まれていたために、このような感情を抱いたと思います。

この件の事実関係は、現在父親と連絡を絶っているため、掴みようがありません。

しかし、父方の祖父母と母親との関係が悪かった原因の1つには、間違いなくマルチ商法が関係しています。

冒頭に記載した、この影響を初めて受けた瞬間なのかもしれないと思っています。

・マルチ商法に少しでも違和感を表明する人を敵と設定し、相手が参るまで徹底的に攻撃し続ける

・攻撃するときは周りをマインドコントロールし、味方につけ、相手を孤立させるやり方を取っている

この辺りをもう少し考えながら、原体験を言語化していきたいと思います。


お読みいただいてありがとうございました。

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