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Twitter「転生したらすべてのアプリ X だった件」

Twitter→X の異世界転生により,世界一のツイ廃かつ英語アレルギーの日本人が,イーロンを思考停止で袋叩きにしている.
本記事では,X.com に関する背景情報を提供し,メディアが語らないイーロンの深謀遠慮について述べる.


1. Twitter

Twitter の元 CEO:ジャック・ドーシー @jack は 2021年11月29日に辞任し,イーロン・マスクが 2022年10月28日に Twitter を買収した.

イーロンは,パパとして X くんに愛情を注ぎながらも,Tesla に SpaceX, Starlink, TruthGPT という,人類の未来に計り知れない影響を与える事業を同時並行で進めている.
この時点で規格外な人間だ.

そのうえ,Twitter をすべての(あらゆる)アプリ X へと異世界転生させるため,日々 Twitter のシステムに変更を加えてきた.

"
リンダ・ヤッカリーノを Twitter の新しい CEO として迎えることができて興奮しています。

@LindaYacc は主に事業運営に焦点を当て、私は製品設計と新技術に焦点を当てます。

リンダと協力して、このプラットフォームをすべてのアプリである X に変えることを楽しみにしています。
"

数々の改善のなかでも,特にコミュニティノートは,ユーザー間の議論によってツイートに欠けた背景情報を埋め込みで補完してミスリードを防止する,ユーザー主権の画期的な機能だ.
この機能がもたらす効果については↓で解説した.

そんな年中師走のイーロンだが,Twitter に変更を加えるたびに,知ったかぶりしたツイ廃たちから袋叩きにあっている.
そういうツイ廃は変化を嫌う保守的な感受性の持ち主に思えるが,メディアの操り人形となって「右翼」イーロンを叩いているという倒錯がある.

その中でも特に猛烈な口撃を行なっているのが,何を隠そうイーロンに好かれている日本人である.

しかし,イーロンはそんな口撃にも動じていない.
“率直に言って、私はこのプラットフォームのネガティブなフィードバックが大好きだ。鼻持ちならない検閲局よりずっといい!”

批判は期待の裏返しだ.

2. Threads

興味のないものは話題にすら上がらない.
(皮肉なことに)Twitter 上であれほどメディアによってゴリ押しされた Meta: Threads だったが,ものの数日で批判の声も見なくなってしまった.

1週間後:
“NEW - ザッカーバーグ氏のTwitterクローン「Threads」の毎日のアクティブユーザー数が1週間で4,900万人から2,360万人に減少 - SameiWeb”

2週間後……

コミュニティノートにより,Twitter ユーザーがメディア・インフルエンサーによるエコーチェンバーから解放され,情報の自由を取り戻しつつある.
そのため,メディアは口をそろえて jack 時代の Twitter のようにガチガチの検閲・情報統制を行う Threads への移行をゴリ押しせざるを得ないのだろう.

プライバシーが存在しないのもバレてしまったのかもしれない.

シンボリズムもあからさまだ.
#ピザゲート

3. X, the everything app

イーロンはかねてから Twitter の X 転生計画を語ってきた.
そして,7.23 に満を持して X.com を twitter.com と同化させた.

"もうすぐ、私たちはツイッターのブランドに別れを告げ、徐々にすべての鳥ともお別れすることになる。"

"十分に優れた X ロゴが今夜投稿されれば、明日世界中で公開されます。"

無数の応募の中で,VK は↓を推薦している.
Twitter でもあり X でもある秀逸なロゴだ.

私はこれを見て,X と ∞ との類似性を感じた.
実際に X を書いてみて,一筆書きしつづけられることに気付いた.

そしてイーロンは,タイムスタンプ 1122 に 𝕏 のロゴを公開し,自身と Twitter 公式アカウント群とのアイコンを(まぎらわしいことこの上ないが)軒並み 𝕏 に変更した.
Unicode Character “𝕏” (U+1D54F): Mathematical Double-Struck Capital X.

すぐにロゴ ver. 2 が公開されたが,イーロンはこの変更をキャンセルした.
"太い棒が気に入らないので元に戻す。ロゴは時間とともに進化していくだろう。"

一般に,X はキャンセルというネガティブな意味で用いられる.
しかし,イーロンは最愛の息子に X と名付けるほどの X マニアなので,適当なネーミングだと決めつけるのはハネウマのように乱暴だけど

”どのような些細なきっかけがあったかわからないが、私はXの文字が好きだ。”

そもそも X.com は,イーロンが 1999 年に開始した長期的な計画だ.

イーロン・マスクが http://X.com という名前に夢中になったのは、ずっと昔のことだ。以下は私の近刊『https://amazon.com/Elon-Musk-Walter-Isaacson/dp/1982181281』からの抜粋である。
「従兄弟のピーター・ライヴが1999年の初めに訪れたとき、彼はマスクが銀行システムに関する本を読みふけっているのを見つけた。「次に何を始めようか考えているんだ」と彼は説明した。スコシアバンクでの経験から、彼はこの業界が破壊の機が熟していると確信した。そこで1999年3月、彼はhttp://X.com を設立した。
http://X.com のコンセプトは壮大だった。それは、銀行業務、デジタル購入、当座預金、クレジットカード、投資、ローンなど、あらゆる金融ニーズに対応するワンストップの何でも屋だった。取引は即座に処理され、決済を待つ必要もない。彼の洞察は、お金は単にデータベースへの入力であり、すべての取引がリアルタイムで安全に記録される方法を考案したかったということだ。"消費者がシステムからお金を引き出す理由をすべて解決すれば"、"すべてのお金が集まる場所になり、数兆ドル規模の企業になる "と彼は言う。
マスクは、セコイア・キャピタルの影響力のあるトップ、マイケル・モリッツを誘い、http://X.com に大規模な投資をすることに成功した。そしてモリッツは、バークレイズ銀行とコロラド州のコミュニティ銀行がパートナーになるよう取り引きを進め、http://X.com が投資信託を提供し、銀行の認可を受け、FDIC保険に加入できるようにした。
当時もその後も、マスクの経営戦術のひとつは、非常識な期限を設定し、それを守るために同僚を駆り立てることだった。彼は1999年秋に、あるエンジニアは " 間抜けな行動 " と呼んだが、http://X.com を感謝祭の週末に一般公開すると発表した。それまでの数週間、マスクは感謝祭を含む毎日、神経をすり減らしながらオフィスを徘徊し、夜はほとんど机の下で眠った。感謝祭の午前2時に帰宅したエンジニアの一人は、午前11時にマスクから電話を受け、別のエンジニアが徹夜で働いたため、"もうスラスター全開で動いていない "から出直すように言われた。このような行動はドラマと憤りを生んだが、同時に成功ももたらした。その週末に製品が稼動すると、従業員全員が近くのATMまで行進し、マスクがhttp://X.com のデビットカードを挿入した。現金が振り込まれ、チームは祝杯をあげた。
成長の原動力のひとつは、当初は大したことないと思っていた機能、つまり電子メールによる送金機能だった。この機能は、特にオークションサイトのイーベイで大人気となり、ユーザーは見知らぬ人に簡単に支払いをする方法を探していた。
[ピーター・ティールとマックス・レブチンが共同設立した会社との合併後、同社はペイパルとして知られるようになった。] 「マスクは、PayPalを単なる子会社ブランドのひとつとし、社名をhttp://X.com にすべきだと主張した。彼は、決済システムをX-PayPalにブランド変更しようとさえした。特にレフチンからは多くの反発があった。ペイパルは信頼できるブランド名になっていた。フォーカス・グループによると、http://X.com という名前は、逆に、礼儀正しい会社では口にしないようないかがわしいサイトを連想させるということだった。しかし、マスクは揺るがなかった。「ニッチな決済システムになりたいだけなら、ペイパルの方がいい。「しかし、世界の金融システムを乗っ取りたいのであれば、Xの方がいい」。
レフチンとマスクはすぐに、技術的な問題に聞こえるが神学的な問題でもある、メインOSにマイクロソフトのウィンドウズを使うかユニックスを使うかで衝突した。マスクはビル・ゲイツを尊敬し、ウィンドウズNTを愛し、マイクロソフトがより信頼できるパートナーになると考えていた。レフチンと彼のチームは愕然とし、ウィンドウズNTは安全でなく、バグが多く、かっこ悪いと感じた。彼らは、ソラリスやオープンソースのリナックスなど、さまざまなユニックス系OSを好んで使っていた。
ある夜、真夜中過ぎにレフチンが会議室で一人で仕事をしていると、マスクが議論を続けるために入ってきた。「最終的には、あなたは私の方法を見ることになるでしょう」とマスクは言った。「この映画の結末はわかっている。
「いや、君は間違っている」レフチンは平坦なモノトーンで答えた。「マイクロソフトではうまくいかないんだ」。
「マスクは言った。「私はあなたと腕相撲をします」。
レフチンは、これはソフトウェア・コーディングの意見の相違を解決する、想像しうる限り最も愚かな方法だと正しく考えた。それに、マスクは彼の2倍近くあった。しかし、彼は残業で気が動転しており、腕相撲に同意した。彼は自分の体重をすべてつぎ込み、すぐに負けた。「レフチンは彼に、"はっきりさせておくが、私は君の体重を技術的な判断材料にするつもりはない "と言った。
マスクは笑って、"ああ、わかったよ "と言った。しかし、彼は勝った。

[マスクは、ツイッターの経営権を握る前から、ツイッターのブランド(http://X.com)を再構築し、1999年からの当初のビジョンを実現するプラットフォームにしようと計画していると話していた。この本の後半の一節]
2022年10月末にツイッターを買収するまでの数日間、マスクの気分は大きく揺れ動いた。「ある日の朝3時半、彼は突然私にメールを送ってきた。「私は、ツイッターを推進剤として使いながら、本来あるべき姿のhttp://X.com を最終的に実行することにとても興奮している!」。"そして願わくば、そうしながら民主主義と市民的言論を助けたい"。彼は、ツイッターを金融プラットフォームとソーシャルネットワークを組み合わせた、彼が24年前に思い描いたhttp://X.com に変えると言い、彼が気に入っているこの名前でリブランディングするつもりだと付け加えた。数日後、彼はさらに沈痛な面持ちになった。「私はツイッター本社に住む必要があります。これは超タフな状況だ。本当にがっかりだ :( 眠るのが大変だ。)"
写真は、
1999年、ピーター・ティールとhttp://X.com のカードを持ったイーロンと、
彼がTwitterを買収した日に、世界最高のバーボンであるパッピー・ヴァン・ウィンクル(@pappyvanwinkle)と祝杯を挙げているイーロン:

"
その通り。

[技術注:1999年当時のLinuxはまだ初期段階であり、Windowsにはビデオゲーム開発者のコミュニティがあった。後年、スペースXとテスラでは、私は当然Linuxを使いました。

また、このサイトがWindowsで動かないというのは、マックスの明らかな間違いだった。文字通りそうだった。
"

”ツイッターは、言論の自由を確保することと、すべてのアプリ「X」の推進剤となるためにX社に買収された。単なる社名変更ではない。

ツイッターという名前は、鳥のつぶやきのように140文字のメッセージが行き交うだけだった時代には意味があったが、今では数時間の動画を含め、ほとんど何でも投稿できる。

今後数ヶ月のうちに、総合的なコミュニケーションと、金融界全体を管理する機能が追加されるでしょう。ツイッターという名前はその文脈では意味をなさないので、鳥には別れを告げなければならない。”

イーロンは,もはや鳥である必要がなくなったと考えているようだ.
考えてみれば,人間と鳥との関係性は,とりわけ深いとはいえない.
また検閲まみれの Twitter に自由の象徴と言われても説得力がない.

イーロンの他の企業のロゴと比べても違和感がない.

ところで,Q が始めた計画の現在地点が X だとすれば,この大覚醒ショーは,Y を挟んで Z で終わるのだろうか?
R〜W が何を指すかは,#VKStoryTime part 2.2 以降で明らかになるかもしれない.

iPhone があらゆる道具を取り込んでしまったように,
X はあらゆるアプリを1つに集約した万事屋銀ちゃんとなるのだろう.


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