ゴッキンゲルゲル・ゴキ博士の知らんけど日記 その40:「ブラック・ジャック」という奇跡19 ~木の芽~

  第19話「木の芽」は、1974年4月15日、週刊少年チャンピオン誌に掲載された。あらすじはこうだ。

 小学低学年から中学年と思われる青木幹男(みきお)は奇病にかかる。木の芽が体から生えてくるのだ。一年ほど前からこの症状が始まった。このことを知っているのは小学高学年と思われる兄だけ。両親にも知らせていない。兄・茂(しげる)は思いあまってブラック・ジャックに助けを求める手紙を書く。3ヶ月後、ブラック・ジャックは茂の家を訪れる。茂は説明を始める。以下、ブラック・ジャックとの会話。「この秘密を知ってるのは ぼくだけです」「パパとママは ほんとに知らないのか?」「知らせないほうがいいんです 弟が病人だって知ったら・・・きっと かなしむし・・・」「病人ではない!!」「わかったか!!」「いわれる こどもの きもちにも なってみろっ・・・・・・・・・・・・」「わたしも きみぐらいのころ そう いわれた一人なんだ」。
 幹男の症状は急速に悪化し、葉っぱに全身を覆われ植物人間のようになってしまう。ブラック・ジャックは、麻酔で幹男を眠らせ手術を始める。心臓の横に何かあることを見つけ、それはディアフラグマ(横隔膜)の中にまで食い込んでいる。サボテンが寄生していたのだ。「あのままでいればたぶん サボテンは幹男くんのからだを占拠してしまったかもしれない」「常識では信じられない話だが からだの中で サボテンの胚子がそだって 芽をふき出したのだ」と説明。
 幹男の父は商社マンで、一家はブラジルに住んでいた。家の庭にオプンチアというサボテンが生えてきた。それをとてもかわいがり、家族のように面倒をみていた。帰国が決まった時、持って帰ろうかと思ったぐらいだった。日本へ帰る直前に生まれた幹男の中で胚子が育っていたのだった。

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