ご近所の犬猫｜ヨシカワ

犬猫がボーッとしている。わたくしもボーッとしている。あちらさんは決してボーッとしているわけではなく、ただ生きて、そこにおられるだけなんでしょうけれど。ずっとそのままボーッとした有り様でいてほしいなぁと思ったりする次第です。

【 001. 遠景猫写。ほんとうに、いいご陽気になりました。】　ベンチで、のんびりお昼寝中。じゃまをせぬように、遠景猫写となりました。ある、春の日のことで、ありました。

【 002. 近景猫写。ねむい、ねむいと、ねこむ、ねこのこ。】　こぎれいな身なりをしていますが、野良猫です。何代にもわたって、わが家付近に棲みついている一族なのですが、同じような姿形なので、もう何代目になったのか、とんと見当がつかないんです。また今年も、今年の子が生まれるんだろうなぁ。

【 003. 一身上の都合により、犬は遠景だけなんですけど。】　よくある話ですが、子供の頃に犬に噛まれて以来、どうもこの種族が苦手なんです。ヒモにつながれていても、近寄れて、ここまで。しかし、なんだか、いいかげんな、つなぎかたですねぇ。飼い主の人柄がしのばれて、いい感じです。

【 004. 監獄ドッグ。ひなが一日、背中で、何を語るのか。】　監獄ではなく、ただの門なのですが。どことなく、捕らわれの身、という風情ですね。その背に、いかなる罪を背負っておるのか。うーむ。などと、いらぬことを想いつつ、気づかれないように、そーっと、パチリ。

【 005. 店番犬。しかしまぁ、実に不景気なお顔ですこと。】　とある、ひなびた仏具屋のガラス戸の向こうにじっと、はべっておられたお方です。お顔から察すると、商売の方はどうも今一つのご様子。職業柄、あまりご陽気なお顔をなさらない方針なのかもしれませんが。

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