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「カラオケ行こ!」〜心奪われる青春映画だったとは…

今年のアカデミー賞ノミネート映画を結構見ました。

「パーフェクトデイズ」「哀れなるものたち」「落下の解剖学」「ナイアド〜その決意は海を越える〜」

いろんな角度から考えさせられる映画、思いもよらない世界観に驚かされる映画、壮大で感想をなかなか言語化できずにずっと腹の中で温めていたところ…

「箸休めかな?」「軽目かな?」と思ってラフに見た映画「カラオケ行こ!」 
すっかり心が奪われてしまった。

いや、もう映画見て難しいこと考えなくていいかも…?!だって面白いんだもん!

舞台はカラオケ屋、中学校の音楽室、スナック、商店街くらいで制作費はお安め?なのに、超大作より心に残る青春映画。

ステッカーもらえた。嬉しい😃

最初から最後まで笑う

まず、ひとりで映画を引っ張る綾野剛がかっこよくて可笑しい。

映画館は(多分)綾野剛のファンの皆さんの熱視線でいっぱい。

ドラマ「コウノドリ」が好き〜、でもバイオレンス系「最後まで行く」はムリ〜という程度の薄〜い綾野剛ファン度でうっかり踏み込んでしまい、すみませんって感じだった。

この綾野剛演じる成田狂児というキャラクター、ヤクザなのにすごく優しいってありがちですが、もう1人の主人公、中学合唱部部長の聡実くん(齋藤潤)に対しての謎すぎる優しさ大好きさがなんとも温かい。

聡実くん、いつ歌い出すの?
ということがこの映画の最大の見どころなはずだが、なかなか歌わなくてじれったい。(笑)

そうして歌うヤクザたちを見て笑っているうちに、この映画は単にコメディじゃなくて聡実くんの青春なんだと、狂児や他の頼りなさげな大人達の優しい眼差しに気づく。

そう。これはまさに…

「リンダ リンダ リンダ」の再来だったね!

青春、歌、何も事件は起こらないけど温かい映画といえば、山下敦弘監督「リンダ リンダ リンダ」。

と途中で思い出した。
ペドゥナ、香椎由宇、前田亜季、関根史織の4人組の高校生ブルーハーツコピーバンドが文化祭の練習をするけど、なかなか演奏が上手くならないし。

バンド、いつ演奏するの?
ペドゥナ、いつ歌い出すの?

という最大の見どころまで何も起こらないし…

そして、いよいよ演奏が始まると起こる奇跡。ペドゥナは歌って伝説になる!

ほんと、山下敦弘監督は好きだわ。
多作ですが、うっかり見逃さないようにしなければ。

狂児のカラオケ プレイリスト

この曲、綾野剛が歌ったらかっこいいだろうなぁ〜と誰もが思える曲のリスト。

にもかかわらず、X JAPAN「紅」以外はすごくつまんなそうで似合わない風に歌うところが勿体無いというか、こんなふうに歌えるんだ、と驚いた。

「紅」の歌詞の意味を考えたことなかったな。和訳も秀逸。

思わず帰りの電車の中で狂児のカラオケプレイリストを作ってしまった…(笑)

そしてそして、
果たして聡実くんは歌うのか?!

そこがこの映画の最大の見どころ。エンドロールの後までお楽しみに。

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