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「頑張れ!グムスン」ペ・ドゥナ映画にハズレ無しって本当?

ペ・ドゥナが出演する映画について5本目のコラムです。「一人ペ・ドゥナまつり」は現在26本見終えてゴール間近。作品情報やレビューなどで「ペ・ドゥナの作品はハズレがない」とよく見かけます。「それって本当?ファンのひいき目?本当ならなぜ?」それなことを考えながら見ています。

「頑張れ!グムスン」(2002年)はペ・ドゥナ初期の映画で、レビューでは「B級」「ドタバタ」という評価ばかり。期待せずに見ましたが、実は結構好きでした!

好きポイント①とにかく可愛い&2.5枚目&本気の走り

まず可愛い。何も考えず可愛いペ・ドゥナを鑑賞するための映画。そして赤ちゃんをおんぶして本気で走る可笑しさ。バレーボールの選手という設定でマンガ並みのジャンプ力とアタック!笑わそうとしてないのに笑える、コメディエンヌの本領発揮。

好きポイント②軽い。軽すぎる。

改めてペ・ドゥナのフィルモグラフィーを見直しても、ここまで軽い映画は見当たりません(断言)昨日書いた、パク・チャヌク監督の「復讐者に憐れみを」という重すぎて救いのない映画と同じ年の製作でした(驚)。

当時の韓国の街並み、マンションのキッチンでも座って料理するのか~、風呂場のコオロギって定番?など、ちょっとした生活感が面白い。ミニストップ、ガラケー、ぼったくりバーもチープな感じ。そして何よりグムスンがポンコツ過ぎました。いまだに意味が分からないのは、早朝5時に新婚家庭に訪れる夫の両親。韓国アルアルじゃないですよね?

好きポイント③すべてのツッコミどころを演技力と本気さでねじ伏せるペ・ドゥナ

そう。これはすべてのペ・ドゥナ作品に言えること。「ペ・ドゥナ映画にハズレ無しは本当?」という私の問いに対する答えの一つでもあります。

私は自分の好きな映画が分からず、数をこなすことでそれが分かるようになるかも、と手当たり次第に映画を見ていますが、だんだん「好き」が分かってきました。それは一言で言えば「力がある映画」。監督の情熱、脚本、物語、メッセージ、画面、俳優の本気さ、価値観がひっくり返される経験、なんでもいい。心がねじ伏せられるほどの力のある映画が好きなのです。ジャンルや細かいツッコミや辻褄が合わせなど細部にはこだわらなくなりました。

「グムスン」は、軽くて薄いドタバタ映画にもかかわらず、若きドゥナは必死でこの映画を良くしたい、可愛さじゃなく中身で勝負したいと切望している。結局、どこまでもベタなみんなで歌って応援するバレーの試合のラストシーンでさえ、私は「力でねじ伏せられ」ドゥナに完敗したのでした。


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