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「秘密の森」ペ・ドゥナ映画にハズレ無しって本当?

「秘密の森」でペ・ドゥナが好きになった

主人公は、感情の(表出の)ない正義の検事シモク(チョ・スンウ)。正反対の熱血漢刑事ヨジンを演じるペ・ドゥナ。この二人がバディを組んで犯人を突き止めていくストーリーはとても難解、だけど見ごたえあり。情報量も多く怪しい人も多く、一瞬目を離すとたちまち置いてけぼり。何度も巻き戻して見るハメに。恋愛要素も無く、物語と俳優の演技力で引っ張る製作チームの心意気が潔くすらあります。

ふと感じる孤独と寂しさ

そんな地味な硬派なドラマですが、ペ・ドゥナはいい役に出会いましたね。このドラマですっかり彼女のファンになってしまいました。多分それは、役の中に「ペ・ドゥナ自身の孤独」が感じられるから。ヨジンは優しく賢く信念の人でありつつ(ペ・ドゥナお得意の)2.5枚目のお茶目さもあり、いわゆるドラマの優等生キャラ。それだけなら多分好きにはならないのです。時々「孤独感」「寂しさ」みたいなものが表れて、グッとくるのです。

「孤独」「寂しさ」はペ・ドゥナの他の作品でも時々感じられて、「空気人形」「私の少女」「センス8」みたいな本来孤独な役柄はもちろんそういうキャラクターだから当然なのですが、「最高の離婚」のようなコメディでもかなり強めに感じられます。

おそらく本来は明るくお茶目な性質であろうペ・ドゥナが、一人で日本やハリウッドでかなりハードな仕事をこなし、名声や実力を得つつも韓国に帰ってきた。韓国ドラマ界での居場所を探す時の孤独感や、世界を見たあとの仕事における孤独感みたいなものでしょうか、じわーっと感じてしまうのです。仕事を極めようとすればするほどに他人には知られない孤独な悩みが出てきますよね。私自身も年齢と決断を重ねるほどに悩まされます。そこに共感してしまうのかも。「がんばれ、ペ・ドゥナ」と心でつぶやいてしまいます。全然お門違いかもしれませんが。

ペ・ドゥナ的にはseason2がおすすめ

season1もseason2もどちらも面白いのですが、ペ・ドゥナ的には2がおすすめです。1,2を通して男性社会の中で生きる壁にぶつかり続けるのですが、そこはヨジンの有能さと強い信念と情熱、シモクや同僚たちとの絆で割とラクに乗り越えて来たように見えます。ところが、2では心から信頼する女性上司を正義感から裏切ることに(逆ですね、裏切られる?)なってしまいます。その出来事で今まで強く乗り越えてきたように見えていたヨジンの心がぐらつくのです。自分の意志で前に進んでいるはずなのに、何か起こると昔の仲間や古巣が懐かしくなってしまう。もう戻れないのに。ちょこちょこ見えていた「孤独」「寂しさ」が一気にあふれ出て胸に迫ります。

とは言え、season1を見ていないと2で分からないところもあるので、大変だけど頑張って2つとも見るのをお勧めします。season2の最終回のヨジンの行動も大好きなエピソードです。

素敵すぎるファッションも見どころ

特筆事項は、ペ・ドゥナの素敵すぎるファッション。黒のコートにチェックのジャケット、ホームパーティーの白いコート、お葬式の黒いスーツ、などなど忘れられないけど、間違っても真似しちゃいかんヤツ(笑)あのスタイルあってこその着こなしだからね。
お洋服はおしゃれなヨジンですが、お化粧はかなり薄く、ほぼスッピン。これはペ・ドゥナの信念で、お化粧を薄くしていないと微妙な表情や顔色の変化が伝わらない、とよく語っています。韓国の女優さんっぽくない、ものすごい美人でもないけれど個性的な美しさとクルクル変わる表情が彼女の魅力の一つです。

※うっかりしました。これはドラマでしたね。映画じゃなかった。ごめんなさい~

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