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忘れもの。落としもの。

日々店を開けていますといろいろなことがありますが、その中で多いのが、お客さまの忘れものや落としもの。お財布や眼鏡、傘、手袋などをお忘れになる、あるいは店内に落としていかれることが、日常的にあります。
連絡先のわかる方にはご連絡をしますが、そうでない場合は警察に届けたり、店で保管させていただいたり、対応の仕方はさまざまです。100人いれば100通り、明らかに急を要するものから、たぶん、そうでもなさそうなものなど、そのモノ自体がさまざまですから、あえて「忘れもの・落としもの」に関してはマニュアルをつくらず、臨機応変に、かつ、責任の取れる範囲で対応をしています。

私はと言えば、最近催事で東京に行った際、宿泊したホテルにうっかり携帯電話を忘れ、取りに戻っている間に大切な商談を逃してしまう、といったことがありました。それも、2件!小心者を自負し、普段は最大限に気をつけているのに、そうしたポカをこれまで数回やったことがあります。

お財布や眼鏡、傘に手袋。忘れものに多いのはこうしたお手回り品で、すぐに取りに来られる方が大半ですが、そうした中に、現在『杖』の忘れものが2件ございます。
その数から「あと1本増えて、3本そろえば魔法が起こるのでは…」などとのんびり話しておりますが、さて、はじめに杖をついてお越しになったお客さまが、帰りには杖なしで帰られる。これがもし、当店にいらしてお元気になって帰られた、とすれば大変に光栄なこと。そんな想像をさせていただきつつも、きちんと保管しておりますので、どうかお気軽に取りにいらしてください。

忘れもの・落としものの数から、ひょっとしてお客さまはくつろいだ気持ちではなく、緊張してお買い物をされているのでは、と考えることがあります。
接客をはじめ、店内ではときに子どもたちの俳句展、クリスマス時期にはジオラマの展示など、楽しんでいただける催しも行っています。どうぞくつろぎながら、五勝手屋でのお買い物をお楽しみください。

(五勝手屋本舗オフィシャルホームページ 【連載:一月一話】 第12回