手術室風景

医者になるのにお金がかかる?

医者になりたいの?(医学部受験に興味のある方へ)vol.4

Dr.みやこーちです。
臨床医(お医者さん)によって外来診療スタイルは様々です。
本当にぶっらきらぼうな先生もいるし、心配なほど会話が進まない先生もいます。
僕は割とゆったり目のペースですね。
患者さんの方が人生の先輩であることがまだ多いので、こちらから診療以外のことを聞いたりして楽しんでしまいます。
今日は99歳になったお姉さま(笑)の予約外診察がありましたが、やや難聴なので筆談も交えて診察をしていました。
診察終わりに「いつもの先生から変えちゃおうかしら」なんて言われたものですから『浮気はダメですよ』と書いて伝えると、とってもいい笑顔になってくれました。
(若干顔を赤らめていたことに気付いていたのはナイショです)
Q.子供が医者になりたいと言っています。夢を叶えてあげたいけど、医学部ってお金がかかるのではないでしょうか?:40代女性
出てきましたね、お金の質問。
皆さんは医学生一人が医師国家試験に合格するまでにおおよそいくら位かかるかご存知ですか?
驚くことなかれ「約1億円」です。
悲鳴が上がりそうな金額ですがご安心下さい。
この金額を全て学生自身や親御さんが負担することはありません。
国公立大学医学部ではそのほとんどを国や県などの公的機関が負担するため授業料以外の学費負担は少ないと思います。
しかし私立大学医学部ではこの20年で授業料などが減額傾向ではありますが、日本私立学校振興・共済事業団からの私学助成金など補助金はあるものの、そこはやはり私立なのである程度以上の自己負担が必要になってきます。
学費以外にもその地で生活をしなければなりませんので、実家から通う学生以外は下宿費用や生活費が加算されていきます
医学生にとって最も負担なのが「教科書」です
医学書って「なんでこんなに!?」ってくらいめちゃ高額です。
無料で配られる教科書は教養(数学とか物理とか)のもの程度で、授業以外の医学書は自己購入しなければならないことが多いです。
図書館では争奪戦でいつもありません。
結局は自己購入するか、あるいは少し情報が古いですが先輩のお下がりを頂くかどちらかになります。
・実際の負担額
河合塾の医進塾のホームページがわかりやすいのでご参照下さい。
国立大学医学部の入学金は282,000円、年間授業料は535,800円〜642,940円だそうです
これを計算すると350万円〜415万円が6年間の学費として必要になります。
これ以外に共用試験代や国家試験受験料、国家試験対策予備校授業料などが必要で、さらに国家試験勉強のための教科書問題集などを考慮すると450万〜550万程度の学費が現実的でしょうか。。
公立大学の場合ですと、その地域出身者などで入学金などの金額が変わるようですが、国立大学学費±αとなることが多いようです。
私立大学医学部の場合ですとかなり幅があります。。が、正直上記の金額とは桁が違うので目が飛び出てしまうかもしれません。
簡単にまとめますと6年間の学費負担額は約2000万円〜5000万円となっています。
実はこれだけではなく謎の「寄附金」というモノが存在しています。
寄附金のパターンとしては
①「一口100万〜200万」の単位で文字通り「寄付」を行う
②「数千万円」の単位で大学に無利子貸付を行い、卒業後に返還される

が多いと思います。
一応寄附金については「お断り」できるとされていますが、実際にはほとんどの新入生が寄付を行っています。
寄付を断っても不利益を受けることはないようですが、何となく寄付をしなければいけない空気になってしまうのが実情のようです。
これでは私立医学には全く手を出せないと考えてしまいがちですが、日本学生支援機構の奨学金や教育ローン、大学独自の学費減免などがあるため、成績さえ何とかすれば私立医学部でもギリギリ手を出せないこともありません。
こちらのホームページがわかりやすいです。
・奥の手
最近ではその病院で将来働くことを前提に貸付してくれる病院もあります
しかしそのような情報は当然公開されるはずがないので、本当に困ったら地元の私立の病院へ問い合わせてみてはいかがでしょうか
(公立病院では市や県に決定権があるため、対応が難しいことが予想されます。「医療法人◯◯会□□病院」で救急車対応ができている病院が個人的にお勧めです。)
A.国公立大学医学部では450万〜550万の学費が現実的。私立大学医学部では約2000万円〜5000万円の学費+寄附金が必要となる可能性あり。しかし奨学金制度や成績などによる特待生制度・減免制度を利用可能。本当に困ったら地元の私立病院へお問い合わせを。
今回はお金についてお話しさせて頂きました。
国公立卒でも私立卒でも医師国家試験を合格突破した時点ではあまり大差はありません。
大学卒業時点での成績によっては「物知り」ではありますが、医師としてはスタートは誰もが一緒です。
どこの大学を卒業したとしても、どんなに大学での成績が悪かったとしても、医師になってからの勉強量の方が断然多いのです。
人を救う医師になりたいのであれば、医師になってから頑張っているかどうかが、納得のいく医師人生を歩む鍵となることは間違いないでしょう。
                    by Dr.みやこーち


Dr.みやコーチと申します。一介の医者でありますが、自分やこれまで関わった医師たちとの経験から、将来医師を目指したい方や医学生の方、受験生の親御さん、医者が何か知りたいという方々に医師の仕事や必要となるスキルなどについて説明していきたいと思います。