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宅建士試験合格講座 建築基準法 > その他の集団規定・建築協定

第9節 その他の集団規定

■ 1 高度地区内の制限

 高度地区内においては、建築物の高さは、高度地区に関する都市計画において定められた内容に適合するものでなければなりません。
 ただし、都市計画において建築物の高さの最高限度が定められた高度地区内においては、再生可能エネルギー源の利用に資する設備の設置のため必要な屋根に関する工事その他の屋外に面する建築物の部分に関する工事を行う建築物で構造上やむを得ないものとして国土交通省令で定めるものであって、特定行政庁が市街地の環境を害するおそれがないと認めて許可したものの高さは、その許可の範囲内において、当該最高限度を超えるものとすることができます。

高度地区内における制限の具体的な内容は、高度地区に関する都市計画で定められる。地方公共団体の条例ではない。

 

■ 2 特定街区内の制限

 特定街区内においては、建築物の容積率および高さは、特定街区に関する都市計画において定められた限度以下でなければなりません。
 特定街区内においては、建築物の壁またはこれに代わる柱は、建築物の地盤面下の部分および国土交通大臣が指定する歩廊の柱その他これに類するものを除き、特定街区に関する都市計画において定められた壁面の位置の制限に反して建築してはなりません。
 特定街区内の建築物については、一般的な容積率の制限、建蔽率の制限、高さの制限等の規定は適用されず、その街区に特に定められた制限に従います。要は、建築基準法の定めを遙かに超える超高層建築が可能になるということです。

 

■ 3 景観地区内の制限

 景観地区は、市街地の良好な景観の形成を図ることを目的として指定される地区です。そこで、景観地区では建築物の形態、意匠の制限が定められます。これにより、建築主独自の趣味嗜好によるおかしなデザインの建物は建てられなくなり、良好な景観が守られるのです。 

(1) 高さの制限
 
景観地区内においては、建築物の高さは、景観地区に関する都市計画において建築物の高さの最高限度または最低限度が定められたときは、当該最高限度以下または当該最低限度以上でなければなりません。
 ただし、次のいずれかに該当する建築物については、この限りではありません。

① 公衆便所、巡査派出所その他これらに類する建築物で、公益上必要なもの
② 特定行政庁が用途上または構造上やむを得ないと認めて許可したもの

(2) 壁面の位置の制限
 
景観地区内においては、建築物の壁またはこれに代わる柱は、景観地区に関する都市計画において壁面の位置の制限が定められたときは、建築物の地盤面下の部分を除き、当該壁面の位置の制限に反して建築してはなりません。
 ただし、次のいずれかに該当する建築物については、この限りではありません。

① 公衆便所、巡査派出所その他これらに類する建築物で、公益上必要なもの
② 学校、駅舎、卸売市場その他これらに類する公益上必要な建築物で、特定行政庁が用途上または構造上やむを得ないと認めて許可したもの

(3) 敷地面積の制限
 
景観地区内においては、建築物の敷地面積は、景観地区に関する都市計画において建築物の敷地面積の最低限度が定められたときは、当該最低限度以上でなければなりません。
 ただし、次のいずれかに該当する建築物の敷地については、この限りではありません。

① 公衆便所、巡査派出所その他これらに類する建築物で、公益上必要なもの
② 特定行政庁が用途上または構造上やむを得ないと認めて許可したもの

 

■ 4 地区計画等の区域内での制限

 市町村は、地区計画等の区域(地区整備計画等が定められている区域に限る)内において、建築物の敷地、構造、建築設備または用途に関する事項で当該地区計画等の内容として定められたものを、条例で、これらに関する制限として定めることができます。
 市町村は、用途地域における用途の制限を補完し、当該地区計画等(集落地区計画を除く)の区域の特性にふさわしい土地利用の増進等の目的を達成するため必要と認める場合においては、国土交通大臣の承認を得て、条例で、用途地域内における建築物の用途制限を緩和することができます。

 

■ 5 都市計画区域および準都市計画区域以外の区域内の建築物の敷地および構造

 集団規定は、原則として、都市計画区域および準都市計画区域内に限り適用されます。ただし、都市計画区域および準都市計画区域以外の区域内であっても、一定の区域については、条例で、集団規定に準ずる制限を定めることができます。

(1) 都道府県知事が指定する区域内における制限
 都道府県知事が関係市町村の意見を聴いて指定する区域内においては、地方公共団体は、当該区域内における土地利用の状況等を考慮し、適正かつ合理的な土地利用を図るため必要と認めるときは、条例で、建築物またはその敷地と道路との関係、建築物の容積率、建築物の高さその他の建築物の敷地または構造に関して必要な制限を定めることができます。 

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