見出し画像

宅建士試験合格講座 免除科目 > 建物・統計 #2

■ 4 各種ブロック造

 ブロック造とは、石、レンガ、コンクリートブロック等の単体をモルタル、コンクリートにより組積して壁体を造る構造(組積造)です。

① ブロック造の組積方法は、積んだブロックの各層の垂直目地が2層にわたって続かないように組積することが基本です。

② ブロック造を耐震的な構造とするためには、鉄筋コンクリートの布基礎および臥梁(がりょう)により壁体の底部、頂部を固めることが必要です。

③ 熱・音などを遮断する性能は優れているが、耐震性が劣るので、壁厚を大きくし、大きな開口部を造ることを避ける必要があります。

④ 大張間の建物、高層建物の構造には適しません。

⑤ ちなみに、我が国で多い補強コンクリートブロック造につき、建築基準法の施行令により、耐力壁の中心線により囲まれた部分の水平投影面積は、60㎡以下と定められています。

⑥ 組積造の建築物の「はね出し窓」または「はね出し縁」は、鉄骨または鉄筋コンクリートで補強しなければなりません。


■ 5 構造耐力・その他

(1) 構造計算が必要な建物
① 超高層建築物(高さが60mを超える建築物)
 高さが60mを超える建築物は、耐久性等関係規定に適合する構造方法を用いなければなりません。この場合において、その構造方法は、荷重および外力によって建築物の各部分に連続的に生ずる力および変形を把握することその他の政令で定める基準に従った構造計算によって安全性が確かめられたものとして国土交通大臣の認定を受けたものでなければなりません。

② 大規模建築物(高さ60m以下の建築物のうち、高さ13mまたは軒高9m超の木造、地上4階以上の鉄骨造、高さ20m超の鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造等)

③ 中規模建築物(高さ60m以下で上記②以外の建築物のうち、3階以上または延べ面積500㎡超の木造、2階以上または延べ面積200㎡超の非木造等)

(2) 構造計算適合性判定が必要な場合
 
鉄筋コンクリート造の建築物の場合、高さが20mを超えるものは、必ず構造計算適合性判定が必要になります。また、高さが20m以下のものであっても、その構造方法を国土交通大臣の認定を受けたプログラムによってその安全性を確認した場合、必ず構造計算適合性判定が必要になります。 

(3) 荷重と外力
① 積雪荷重
 積雪荷重の計算に当たり、雪下ろしを行う慣習のある地方においては、その地方における垂直積雪量が1mを超える場合においても、積雪荷重は、雪下ろしの実況に応じて垂直積雪量を1mまで減らして計算することができます。

② 風圧力
 建築物に近接してその建築物を風の方向に対して有効にさえぎる他の建築物、防風林その他これらに類するものがある場合においては、その方向における速度圧は、一定限度まで減らすことができます。

(4) 耐震構造・免震構造・制震構造
 地震に対する建物の安全確保においては、耐震、制震、免震という考え方があります。

① 耐震構造
 耐震構造は、建物の柱、はり、耐震壁などで剛性(建物の強度や粘り強さ)を高め、地震に対して十分耐えられるようにした構造です。この構造は、既存不適格建築物の地震に対する補強として利用することができます。

② 免震構造
 免震構造は、建物の下部構造と上部構造との間に積層ゴムなどの免震装置を設置し、上部構造の揺れを減らす構造です。免震建築物の免震層には、積層ゴムやオイルダンパー(油の粘性を利用して振動や衝撃を和らげる装置)が使用される。免震構造は、耐震補強として用いることもできます。

③ 制震構造
 制震構造は、制震ダンパーなどの制振装置を設置し、地震等の周期に建物が共振することで起きる大きな揺れを制御する構造です。制震構造は、耐震補強として用いることもできます。

(5) 基礎の種類
 建物は、上部構造と基礎構造からなり、基礎構造は上部構造を支持する役目を負うものです。
 基礎の種類には、直接基礎、杭基礎等があります。杭基礎には、木杭、既製コンクリート杭、鋼杭等があります。

(6) 建築物の構造形式
① ラーメン構造
 ラーメン構造は、柱とはりを組み合わせた直方体で構成する骨組です。
② トラス式構造
 トラス式構造は、細長い部材を三角形に組み合わせた構成の構造です。
③ アーチ構造
 アーチ構造は、円弧型で構成する構造であり、スポーツ施設のような大空間を構成するのに適した構造です。
④ 壁式構造
 壁式構造は、柱とはりではなく、壁板により構成する構造です。

(7) 建築設備
 建築物に設ける自然換気設備の給気口は、居室の天井の高さの2分の1以下の高さの位置に設け、常時外気に開放された構造とし、排気口は、給気口より高い位置に設け、常時開放された構造としなければなりません。


第5節 統計

 宅建試験では毎年、「宅地建物の統計等」に関する問題が1問出題されます。地価動向、新設住宅着工戸数、土地取引の動向、不動産業の動向等についての知識が問われるもので、地価公示、建築着工統計、土地白書、国土交通白書、法人企業統計年報等から出題されています。
 全50問中のわずか1問だが、限られた必要事項を覚えさえすれば確実に得点できる問題でもあります。ここでは、狙われやすいものを中心に、統計データの読み方(何を読み取り、何を覚えるか)を簡単にまとめておきます。実際の最新の数値は受験年の7月をめどに確認してもらいたいです。インターネットで「宅建 統計」とでも入力すればすぐに見つかるはずです。

ここから先は

2,175字 / 1画像
この記事のみ ¥ 300

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?