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宅建士試験合格講座 建築基準法 > 建築物の高さの制限(集団規定-4)

 都市計画区域および準都市計画区域内においては、建築物の高さも制限されます。

 

■ 1 第一種低層住居専用地域等内における建築物の高さの制限

 第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域および田園住居地域は、低層住宅に係る良好な環境を保護する地域です。そこで、このような地域内においては、建築物の高さを制限する必要があります。

第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域または田園住居地域内においては、建築物の高さは、10mまたは12mのうち当該地域に関する都市計画において定められた建築物の高さの限度を超えてはならない。

 ただし、次のいずれかに該当する建築物については、上記の高さの限度を超えて、建築物を建築することができます。

① その敷地の周囲に広い公園、広場、道路その他の空地を有する建築物であって、低層住宅に係る良好な住居の環境を害するおそれがないと認めて特定行政庁が許可したもの
② 学校その他の建築物であって、その用途によってやむを得ないと認めて特定行政庁が許可したもの

 また、再生可能エネルギー源(太陽光、風力その他非化石エネルギー源のうち、エネルギー源として永続的に利用することができると認められるものをいう。)の利用に資する設備の設置のため必要な屋根に関する工事その他の屋外に面する建築物の部分に関する工事を行う建築物で構造上やむを得ないものとして国土交通省令で定めるものであって、特定行政庁が低層住宅に係る良好な住居の環境を害するおそれがないと認めて許可したものの高さは、その許可の範囲内において、上記の高さの限度を超えるものとすることができます。

1. 10mまたは12mに建築物の高さが制限されるのは、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域および田園住居地域のみである。
2. 建築物の高さの限度が都市計画で10mと定められた場合であっても、その敷地内に一定の空地を有し、かつ、その敷地面積が一定の規模以上である建築物であって、特定行政庁が低層住宅に係る良好な住居の環境を害するおそれがないと認めるものの高さの限度は、12mになる。

 

■ 2 斜線制限

 『斜線制限』とは、建築物の各部分の高さを制限するものであり、簡単にいうと、ある地点から上空に向かって「斜めに」線を引き、その中にしか建築物を建ててはならないという制限です。日照や、通風、採光を確保しようという目的で適用されます。
 斜線制限には、道路斜線制限、隣地斜線制限および北側斜線制限の3種類があります。それぞれ、道路高さ制限、隣地高さ制限および北側高さ制限と呼ばれることもあるが、同じものを指しています。
 斜線制限については、その適用区域が重要です。

(1) 道路斜線制限(道路高さ制限)
 道路斜線制限は、道路と道路に面する建築物の日照、通風、採光を確保することを目的とします。具体的には、道路の反対側から一定のこう配の斜線を引き、その斜線の中にしか建物を建てられないとするものです。
 道路斜線制限は、すべての用途地域および用途地域の指定のない区域内の建築物に適用されます。

(2) 隣地斜線制限(隣地高さ制限)
 隣地斜線制限は、隣地の日照、通風、採光を確保することを目的とする。具体的には、隣地境界線上の20mまたは31mの高さを基点とし、そこから一定のこう配の斜線を引き、その中にしか建物を建てられないとするものです。
 隣地斜線制限は、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域および田園住居地域には適用されません。これらの地域には、上記の10mまたは12mの高さ制限があるからです。

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