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第3章【自然な呼吸とは?】

第1章【養生思考と治療思考】

第2章【基準ポイント】

 「呼吸を整えたい」、なんか良さそうですよね。

 でも、実際やろうすると抽象的過ぎて、どうすればいいのだろうと迷った経験はありませんか?

 そもそも、普段の呼吸ってどうすればいいんですか? 

 よくある質問です。

 その答えが今回のテーマです。

"呼吸"と"動き"は切っても切れない関係

 呼吸、呼吸言ってますが、呼吸だけ整えるのでなく、動きも一緒に変えていく必要があります。


 呼吸と動きがどう繋がっているのか、頭で理解するよりまず体験してみましょう。

 ちょっとした呼吸チェックです。

 ①イスがある方は浅く腰かけます。立っていてもOKです。

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 ②そこから、上半身を前にだらーんと倒します。

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 ③上半身を起こして、最初のポジションに戻ります。

 さて、前に倒した時、起きあがる時、息はどうなりましたか。

 1、前に倒した時に息が止まり、起きあがる時は息が止まるのがおさまった

 2、前に倒した時に息を吸って、起きあがる時は息を吐いた

 3、前に倒した時に息を吐いて、起きあがる時は息を吸った


 1〜3、どれに当てはまりましたか?


 1の方は、力み体質です。

 2の方は、がんばりやさんで、かなりの力み体質です。

 3の方は、自然な呼吸ができています。

 

 あなたはどれでしたか?


自然な呼吸とは

 体の中には一定量の酸素みたいな、空気が入っています。

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 自分の胴体を一つの容器と見立てた時に、体を前に倒し容器が狭くなったら息は勝手に出ていきます。

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  体を起こしたら、容器は元の形になり、息も勝手に戻ってきます。

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 これが自然な働きです。

超超超大事です!!

もう一度言います。超〜〜大事なところです!

 1の方は、本来出ていくところで出ていかないので、自然な機能が働いてません。体は力み、前に倒れた時に苦しい、「うっ」と頭に血がのぼるような感覚があったかと思います。起きあがる時に苦しさから解放された感覚になっていませんでしたか?

 2の方は、本来の働きが逆転しています。やろうという意図が強すぎて、本能をかき消しています。

 本来出ていくところで吸っているので、これも力み、「うっ」となるような感覚になったと思います。そして起き上がる時に、息が出て解放された感覚になっていませんでしたか?

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 1、2の方は、どちらも呼吸のエラーが起きています。

 3の方は、自然な働きができていたため、スムーズに違和感なく動けていたと思います。

 あっ、私はちゃんと前に倒れたとき息が出て、起き上がったとき吸っていたから大丈夫だと思いませんでした?

 たしかに、今は大丈夫かもしれません。

 大事なのは、いついかなる時もこれが出来ているかです。

 大丈夫ですか?この記事読んでいて息止まっていませんか?
 一旦ここで一呼吸置きましょう。

なぜ、自然な働きが起きなくなってしまうか?頭>身体だから。

 先程の動きをもう一度。一つだけ、ポイントを追加します。

 倒れる前に、自分の手の指を見ます。特に中指です。絶対に中指から目を逸らさないように。

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 さあ、そのまま前に倒れましょう。

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 さて呼吸の感じはいかがでしょう。先ほどと同じ反応でしたか?

 3の方も、おそらく先程より息が出にくい、もしかしたら止まった方が多いのではないでしょうか。

 1、2の方は、もっと息が詰まった、窮屈になった、倒れる前から吸ってた人もいると思います。


 さっきは大丈夫だったのに、なぜ呼吸のエラーが起きたのか。

 今していただいたのは、「思考を優位」にしました。

 ポイント増やし、こうしようと意識(思考)したことで、自然な働きが起きにくくなり、本来息が出ていくところで、止まる、吸うという現象が起きました。

 つまり、仕事に追われている、時間がない、あれもこれもとやる状況では、〇〇する、しよう(思考)が強くなるため、呼吸のエラーが起きやすくなります。

 それなら、思考しないでゆったり過ごしていればいいのか?

 もちろん、いいえ。

 今度は、同じ思考(意識)で同じことをやろうとしますが、その一方で体の自然な働きができる自分でもいますよ、と思いながらやってみましょう。


 さて、、どうでしたか?

 息出ていきましたよね、戻ってきますよね。

以前の記事に書きましたが、人間は考える動物です。

 何かをするには意図(思考)がありますが、それだけでなく身体(本能)の働きを消さなければ、頭と身体を調和しながら日常を送れます。

 次回は、日常に落とし込むための具体的なヒントをお伝えします。

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参考文献
・森田愛子(2019)『養生思考を身につける』 ワニブックス.
・呼吸整体勉強会資料

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えんじゅ
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