憲法記念日に
令和四年の憲法記念日。そんな日に真面目に考えてみたことを忘れないように、自分のために備忘録。
久々に日本国憲法前文を見て感銘を受けた。全体で4段構成ですが簡易的に2段にしたとして、前段で国民主権と基本的人権の尊重、後段で平和主義を強調。こんなにも心熱くさせていただける文だったのだと改めて感じ入った。
そして憲法第99条、憲法尊重擁護の義務。国家権力であり公権力を持つ者こそ最高法規たる憲法を守ることを表している条文を、今一度国家並びに公の事由を動かし決定できる立場の人間は忘れてはならない、とても大切な原則であることを知るべきであると思い馳せた。
主権たる国民が守るべきものは日本国憲法に違反していない前提を元に立法された法律であり、その主権たる国民を侵害するおそれがある国家権力であり公権力を持つ者に縛りを持たせているのが憲法だと表している条文に対して。
憲法の形式的意味である法典という特質とは別に、実質的意味の一部を表すとともに本質を規定する、フランス人権宣言16条「権利保障が確保されず、権力分立が定められていない社会は、すべて憲法をもつものではない」との規定を思い出した。
個人の尊重として人権が保障され、権力は分立をもって互いに監視・抑制できる体制を持つ事が国家の在り方であり、そんな国家統治の規範となる憲法条文を変えることは、後戻りのできない大きな変化となることを今一度認識すべきと、憲法記念日に改めて心に落とした。
憲法は法律とは違うものと理解し、変えて運用するものではなく、国家の大前提であり解釈によって運用していくものであること、主権たる国民ではなく公権力を伴う立場の者が正しく規範として遵守していくものであると認識した、令和4年の憲法記念日となった。
実際、今騒がれている憲法第9条が、昭和34年12月16日、砂川事件という最高裁判例の中においても「いわゆる戦争を放棄し、いわゆる戦力の保持を禁止しているのであるが、しかしもちろんこれによりわが国が主権国として持つ固有の自衛権は何ら否定されたものではなく、わが憲法の平和主義は決して無防備、無抵抗を定めたものではない」という解釈のもと、現在もその判例は重要判例として継がれているのだから、憲法9条の政府見解を、時代に即した方向性として条文に基づいた解釈を表し合憲性違憲性を論じればよいのであって、それが理想的な国家統治の姿を維持しながら、かつ、日本国または主権たる国民が平和のうちに生存する権利を守ることに繋がるのではないかと、そのように強く感じ入った。
安易に憲法という最高法規の条文を変える事は危険だと心新たに、激動の世の中を生きていこう。
2022.05.03 憲法記念日の備忘録。
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