ショートケーキ

2022年　8月22日

いつの日か
ショートケーキを食べる約束をした

一緒に食べたいです　って


でももう一緒に食べに行けない、約束は果たされていないから私のショートケーキ欲は満たされない。かと言って1人でショートケーキを食べに行けない、悲しいから。
だから自分で作って食べる。

買い物に行った、真夏はイチゴが売っていなかった、悲しかった。だから缶詰のみかんを買った、完璧じゃないけど、まだ練習だから、小麦粉とグラニュー糖と無塩バターと4号の小さいケーキの型を買った。

その日も悲しみを抱えて眠った。
ラインの通知は9件

船の中に閉じ込められて窓から脱出する夢を見た、別に沈没しそうなわけでもないただ集団拉致から逃げる、怖い夢。
朝9時に一度目を覚ました、通知は10件ブランドのメルマガ

もう一度眠る昼12時に目が覚める朝ごはんの様なお昼ご飯を作る、ハムエッグ　美味しい。幸せ¿

そのままケーキを作りを開始する。
ケーキ作りを美談にしようと、具材を並べて写真を撮る　上手く撮れないからカメラを捨てて端末に向き直る。
パティシエじゃないからレシピがわからない、誰かのレシピを盗んで作る、よくわからない言葉がたくさん書いてあったけど見様見真似とはまさにこれ、

湯煎したたり予熱したり色々やって生地が焼けた
思ってたより薄い、こんなに薄い?ってくらい小さく焼けた
すぐままに連絡　困った時はままなのだ親は偉大だ、実家最高。
卵白の泡立てが弱かったようだ、どんまい　の一言
ガタガタになりながらそれを縦に割って2枚にする。

冷ましている間にホイップを泡立てるベタベタ飛んでる、怒られるかな　拭き取ればバレないかな、ちょっと泣きながらホイップを作った。缶詰のみかんを取り出して水を切ってキッチンペーパーに乗せた。

生地が冷めたのでクリームを塗る、塗ってみかんを乗せてクリームを塗って生地を重ねて、またクリームを塗る。
事件、全然綺麗に塗れない、ありえないくらい汚い、びっくりするくらい汚い、なにこれ、ほんとにケーキ？嘘だ、絶対嘘、

こんな可哀想なケーキ作っても　可哀想だねって笑う人は現れないんだけどな

一緒に食べに行けなかったケーキ1人で可愛く作って私1人で食べますって、被害者面するつもりで作ったのに、なんで惨め。私の思考の何千倍も惨めなケーキが出来た。

私は自分から生み出された失敗が大嫌いなのでそれをすぐさま消し去りたかった、誰にも知られたくなかった、でも可哀想な私をみて心配して欲しかった。

よくわからないから、とりあえずそれ、泣きながら食べた。

可愛くないし、美味しくないし、悲しい。

4号12センチの小さいケーキ1人で全部食べた、ありがちなシチュエーションで笑えた、笑えたけど
そんなことより悲しくて。

ほんとに一生悲しいんじゃないかな。
早めに誰かが幸せを分けてくれたらいいんだけど。